日本では「白タク」行為として道路運送法違反になるほか、タクシー事業者から反発を受けているライドシェア。アメリカでは一般向けにパイロットサービスとして、2016年12月から開始されます。
ライドシェア事業者との提携では、トヨタとトヨタファイナンシャルサービスが手を組み、ユーザーがライドシェアのドライバー(運転手)として得た収入から月々のリース料金を回収するという「フレキシブルリースプログラム」と命名されたビジネスモデルを構築しました。
一方、日本でも急速に普及しているカーシェア。北米では個人のカーシェア会員が増えていますが、課題となっているのが安全かつ便利なクルマのキーの受け渡し。日本よりも車両盗難が多いアメリカだけに、確かに課題となりそうです。
従来は、キーをコンソールボックス内で受け渡す(キーが持ち去られるリスクがある)、特殊な通信装置をクルマのCANにつなぐ(外部からハッキングされる恐れがある)などの方法が採られることがあったそうです。
そこで、トヨタが開発したのがスマートキーボックス(SKB)。車両を改造する必要がなく、車内にこの箱を設置するだけでカーシェアのユーザーが手持ちのスマホでドアロック、エンジン始動が可能になるというもの。
安全性の確保は、SKBにアクセスする暗号キーをユーザーのスマホに送信し、スマホを近づけるとSKBが反応。暗号キーが承認されてキー操作が可能になります。つまり、1台ずつに割り振られたスマートキーのような機能を果たします。
具体的には、北米のGetaround社と2017年1月にSKBを使ったパイロットサービスを開始。先述したように、トヨタファイナンシャルサービスからユーザーに車両をリースし、ユーザーがカーシェアで得た収入を回収するというリースプログラムも併せて提供されます。
このSKBのシステムは、アメリカだけでなく日本、中国でも特許出願済みとのことで、日本でも同様のサービスが開始されるかもしれません。
(文/写真 塚田勝弘)