【新型スバルインプレッサ公道試乗】広い室内で乗り心地良く、燃費14.8km! 進化は本物だった

助手席に普通に座ると、通常は肩幅より少し肘が広がると思いますが左肘がまったくドアのインナーに触れません。右肘もアームレストに軽く触れるくらいで、もし旧型から乗り換えるとこの余裕の空間は嬉しく感じるでしょう。ただ、全幅は旧型より35mm広がっているのですが、左右でそれぞれ2cm足らず広がっただけとは思えないほどそれ以上に広くなった印象です。左右のミラーも含めた全幅ではほとんど変化しないように気を配ったといいますから、狭い道でのすれ違いでも大きな影響はありませんでした。駐車場事情にさえ関係しなければ、誰にも嬉しい拡大でしょう。

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室内の質感もシートのサイズ、掛け心地ともに、ひとクラス上の印象になったと言えるでしょう。

さて、やはり気になるのは一般公道での走りでしょう。以前試乗したのはクローズドの綺麗な道路。様々な路面での走りが知りたいところです。

走り出してすぐに感じたのは、公道でも乗り心地は良かった、というものでした。走り出したのは埋立地の工業団地のようなところで、大型トラックがよく走るためか、路面は荒れていたりうねりがあったりとした場所ですが、路面の状態を柔らかく受け止め、ソフトに乗員へ伝えてくる印象です。キャッチフレーズのように「愛」を感じます。

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出たばかりの新型車は、比較的「硬め」で発売されることが多いのですが、新型インプレッサはそうではありませんでした。

かといって、コーナーを曲がるときに不安になるような柔らかさではなく、思い通りのラインで曲がっていける感覚で、実際にその通りに走ることが可能です。これはゆっくりとした速度でも多少のハイスピードでも同様です。

ただし、見た目はフラットでもうねりが連続するようなとある高速道路の一部では、そのうねりとクルマの上下動がシンクロするようなシーンがあり、これがずーっと続くと酔っちゃうかも、ということもありましたが、そんな道路はずーっとは続きませんでした。

それから、アクセルの踏み方に対するエンジンの反応が素直に付いてくるのもいい感じです。特に、ゆっくり走り出したいとき、少しだけ動かしたいときなどのちょっと足首を曲げるときの動きに車両はジワリと動き出してくれるのがありがたいです。

クルマによってはちょっとだけ踏んでもパッと動き出せば、加速がいい、ダッシュ力がある、と思い込むのでそうしたセッティングの車両もあるのですが、もちろん実用上はありがたくありません。ここでも新型インプレッサは愛を込めて作られてると感じる部分でもあります。

もちろん踏み込めばそれなりの速度まで思い通りにコントロールできるので都市高速の短い合流地点などでも安心です。

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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