このエンジンは、CクラスのC 200系と同一でスペックも同じ。車両重量が重くなっているEクラスでの走りっぷりが気になるところです。
なお、C 200アバンギャルドとE 200アバンギャルドを比較すると130kg増、C 200アバンギャルド AMGラインとE 200 アバンギャルド スポーツを比べると165kg増になっています。
大人2〜3人近い重量増ですが、動力性能に不足はありません。高速道路への合流や追い越しをかけるシーンでも余裕綽々とまでは言えないものの、容易にこなしてくれます。
さらに、9ATの俊敏かつスムーズな変速もあって流れをリードするのも日本の高速道路ならたやすいはず。
高張力鋼板が多用されているのはもちろん、フロントフェンダーやボンネット、トランクリッドなど意欲的にアルミを採用した軽量、高剛性ボディもあって、全体的に軽やかなフットワークも美点。
逆に言えば、Eクラス単体で乗ってしまうと軽快感という意味ではCクラスとの違いを感じにくいという皮肉な点も浮かんできます。それでも、ロードノイズや風切り音などが徹底して遮断された高い静粛性や、しなやかな乗り心地など、弟分よりも確実に一枚上手になっています。
(文/塚田勝弘 写真/水野孔男)