これがエスティマ最終モデル? フルモデルチェンジせずやっと実現したマイナーチェンジのワケ

じつは、2011年の震災ではなく、2008年のリーマン・ショックの影響が大きかったそう。

「大きなクルマから小さなクルマへのシフト」という流れによりエスティマも台数が減り、ミニバンもヴォクシー/ノアなどへのダウンサイジングが進んだことでフルモデルチェンジの機会を逃したというのが大きな流れとのこと。

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本来なら2012年にモデルチェンジをする計画を立てていたというエスティマは、開発自体も厳しい状況で、全体のスケジュールを延ばすという決断になったそうです。

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需要がヴォクシー/ノアのような箱型ミニバンにシフトし、日産がプレサージュをやめるなど、ライバルがホンダ・オデッセイくらいとスタイリッシュ系の大型ミニバン市場は縮小しています。

そんな中、エスティマはモデル末期といわれ続けていても「何で何もしないの?」という声もあり、マイナーチェンジがようやく実現。

じつは、堀氏も2012年のマイナーチェンジが最後になると思ったそうですが、エスティマは根強い人気があり、2015年になっても月1500台ペースでコンスタントに売れ続けています。

なお、ハイブリッドとガソリン車の比率は、前者が25%くらい、後者が75%くらいだそう。

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市場がシュリンクしているいま、40万台くらいという既存ユーザーの買い替えを狙うために、エスティマの強みを分析。そうすると「エスティマが好き」、「デザインが好き」ということで、デザイナーが提案するものが基本的にすべて盛り込まれています。

こうなると、次期エスティマがあるか気になりますね。

お話の最後に「リーマン・ショックがなければ(新型)をやれたのに……」というつぶやきのような同氏の話があったことをお伝えしておきます。もし、次期型を粘り強く待っているなら今回のマイナーチェンジ後モデルを手にしておくのが正解かもしれません。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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