フロントピラーの強度と前方視界を両立できる自動車ボディの骨格新部材が登場

新日鐵住金、日鉄住金鋼管、エイチワンの3社は共同で、角型鋼管による3次元熱間曲げ焼入れ(Three-Dimensional Hot Bending and Direct Quench:3DQ)技術を駆使した、自動車のボディ骨格部品であるフロントピラーを世界で初めて開発したと発表しました。

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3DQ技術による新開発のフロントピラーは、ドライバーの前方視認性と強度を両立できる1,500MPa級の高強度を備え、さらに流麗な車体スタイルを形成するためにボディの骨格部品に必要な、高い形状精度を発揮することができます。

今後3社は、3DQ技術をフロントピラーだけではなくボディ骨格全体にまで拡大して3DQ技術を自動車軽量化の画期的技術に成長させることを目指しています。

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フロントガラスの両側面を支えるフロントピラーは、自動車車体の強度と衝突時の車室安全性を保つために大きな強度が要求されますが、一方ではドライバーの前方視界を維持するためには、できるだけ細くすることも必要です。新開発の3DQによるフロントピラーは、高い強度と前方視界を両立することができます。

さらに3DQでは金型を使用せずに、角型鋼管を複雑な3次元形状に短時間で加工することができ、バンパービームやセンターピラーなどボディ骨格部材の各部に適用することが可能で、車体の大幅な軽量化に貢献できます。

(山内 博・画像:新日鐵住金)