ファイナル4の飛行順はラウンド・オブ・8の対戦順で、最終順位はタイムだけで決定されます。飛行場では着陸から次の離陸まで3分程しかなく、整備・エンジン冷却等の時間はほとんど取れません。
最初の飛行はナイジェル・ラム選手。今シーズンでの引退を表明しており、千葉では現役最後のフライトとなります。200.3ノットで快心のスタートを決めたラム選手はノーペナルティの飛行で、1:05.734を記録します。
2番目は我らが室屋選手。昨年のファイナル4進出時はペナルティを受け、順位を下げる事もあったので、ノーペナルティでの飛行を会場全体が祈っています。
無事スモークオン。200.1ノットとこちらも快心のスタートを決め、1:04.992を叩き出します。ラム選手を上回り、これで表彰台確定!です。残るチャンブリス選手とソンカ選手の飛行を待ちます。
3番目はチャンブリス選手。今回、1分4秒台を記録していないチャンブリス選手ですが、序盤室屋選手のタイムをリードします。後半もノーペナルティでしたが、1:05.618と2番手タイムを記録。室屋選手の2位以上、自身の最高順位更新(過去は3位3回)が確定しました。
最後のソンカ選手は室屋選手以外で唯一1分4秒台を記録しています。まさに最後に「最強の刺客」が登場となり、沸いていた会場も少し冷静さを取り戻します。
ともに初優勝をかけた対決。198.2ノットでスタートしたソンカ選手、序盤リードを奪うも、最後のバーティカルターンを前に室屋選手に0.1秒逆転され、再び詰めるも1:05.097。
わずか0.105秒差で室屋選手の初優勝が決まりました!
ファイナル4は誰もペナルティを犯さず、優勝と4位の間が0.8秒しかない好勝負でした。
前戦でドルダラー選手が優勝し、2009年組でただ一人未勝利だった室屋選手。記者会見でソンカ選手との0.105秒差を「ファンブースト」と評しました。
「決勝に残る」のではなく「頂点を掴む」ため、チーム一丸となった機体の改修も実を結びました。
チャンピオンシップランキングも11位から4位に躍進、前戦終了時までは霧散しそうだった今年の目標「総合順位3位以上」も改めて現実味が帯びてきました。
次戦は7月16,17日にハンガリー、ブダペストのドナウ川河畔で開催されます。
(川崎BASE・Photo:Y.Kanoh/Jorg Mitter/Red Bull Content Pool)
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