シェフラーが日産と協業して電動可変バルブタイミング機構を開発

欧州自動車部品大手のシェフラーは、日産自動車と共同で、ガソリンエンジン向け電動可変バルブタイミングコントロール(Electric Cam Phaser、以下ECP)機構を開発したと発表しました。

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両社は、この技術で加速レスポンスを向上させながら、CO2削減および排気性能向上にも対応することを狙っています。

従来の可変バルブタイミング機構の多くは、エンジンの油圧を駆動源とした油圧制御であったため、その作動範囲(エンジン回転数/温度)および応答速度に制限があり、エンジン冷機始動後ではある程度潤滑油が暖まるまでは作動できないという課題がありました。

今回シェフラーが開発したECPは電動モータとギアボックスによってバルブの開閉タイミングを制御させるので、すべての条件下における応答時間の向上や変換角度を拡大することができ、油圧制御と比較して高度で繊細な制御を行うことが可能になる利点があります。

また、アイドリングストップなどのストップスタートエンジンアプリケーションでは、最適なバルブタイミングをエンジンの再始動前に設定することができ、排気エミッションの低減、燃費の向上、加速レスポンスの向上などをもたらすことができます。

シェフラージャパンの代表取締役社長 四元伸三氏は

「今回、日産との協業によりシェフラー初となるECPを提供できることを大変光栄に感じています。ECPは単体の部品開発とは異なり、エンジンの一部となるシステム開発になるため、精緻なすり合わせが必要になります。今回の開発は、シェフラージャパンの技術者が日産の開発チームと緊密に連携をとり、さらにドイツ本社の開発チームも日本を訪れて日産とともにワークショップを開くなど、シェフラーのローカルとグローバルR&Dの機能が融合した成果と考えています。(今後)さらに日本のR&D体制を強化しながら、日本メーカーの開発に貢献していく考えです。」

とコメントしています。

今回、欧州自動車部品大手のシェフラーが日産と協業してECPを開発したことで、国内の自動車メーカーと外国の部品メーカーとの取引が増加すれば、国内の自動車部品業界が影響を受けることになり、今後の動向が注目されます。

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(山内 博・画像:シャフラージャパン)