島津製作所は、5月25日(水)~27日(金)に パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2016」で、固体高分子形燃料電池(PEFC)内の酸素濃度をリアルタイムで測定できる「FC-3Dモニタ FCM-3D-Oxy」を出展し、目に見えない燃料電池内部を探るハイテクをアピールしました。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、燃料電池自動車を始めとする自動車分野などへの応用が期待されるほか、家庭にも普及しつつある家庭用燃料電池「エネファーム」にも搭載されています。
島津製作所の「FC-3Dモニタ FCM-3D-Oxy」は、PEFC内ガス拡散層(GDL)の深さ方向の酸素濃度をリアルタイムで直接モニタする世界初(同社調べ)の装置ということです。
燃料電池内部の酸素濃度を測定することで、発電効率を高める部材の設計および選定や気体流路の最適化への寄与が期待できます。
同社では「FC-3Dモニタ FCM-3D-Oxy」を5月23日から新発売しており、今後自動車メーカーおよび部品メーカーに拡販したいとしています。
「FC-3Dモニタ FCM-3D-Oxy」の特長は次の3点です。
1.ガス拡散層内部5箇所の酸素濃度をモニタ可能
直径50μmの微細なプローブをPEFC内部に直接挿入し、GDL内の任意の位置・深さごとの酸素濃度をモニタできます。最大で5箇所までの同時測定が可能です。プローブの先端位置を自動で算出する機能も搭載。
2.高速なデータ処理による酸素濃度のリアルタイム把握
深さ方向に測定できる本製品用のソフトウェアを新開発。5箇所同時測定時でもリアルタイムで酸素濃度とプローブの先端位置を記録することができる。
3.設置面積1m×1mで導入しやすい一体型ユニット
従来製品は暗室で使用する必要がありましたが、本製品は、制御部と本体部を一体化して設置面積1m×1mの単一ユニットに収納。暗室が不要で、研究開発現場への導入が容易。
(山内 博・画像:島津製作所)