トヨタは、マレーシア市場で生産体制を構築するために、新たな車両工場を建設し現地生産体制を再編すると発表しました。
今回トヨタは、マレーシアにおける合弁事業会社UMW Toyota Motor Sdn. Bhd.(以下、UMWT)と車両生産子会社Assembly Services Sdn. Bhd.(以下ASSB)を通じて、乗用車専用工場を新たに建設します。
既存の乗用車と商用車を混流生産する工場での乗用車生産は2019年初に終了するということです。
セランゴール州クラン市に建設する新工場への投資額は約490億円で、伸縮自在ラインやコンパクトな塗装ブースなど、メキシコ新工場・中国新ラインと同様の革新的生産技術を導入し、2019年初より年産5万台の生産能力で稼働を開始する予定です。
一方、1968年にコロナ・カローラのCKD生産からスタートした現在の工場は商用車生産に特化し、車両構造・サイズに応じて工程や物流を最適化して生産性を向上させるという目論みです。
現在のマレーシア工場での生産車種は、商用車系のハイラックス、ハイエース、乗用車系のフォーチュナー、イノーバ、カムリ、カムリ ハイブリッド、ヴィオスとなっています。
トヨタは2014年にガザフでSUVのフォーチュナーを生産開始し、インドネシアでイノーバ、ヴィオスを生産開始していることから推して、今回のマレ-シア新工場でも現地仕様車のフォーチュナー、イノーバ、ヴィオスを増産することになると見られます。
トヨタの高見常務役員は次のようにコメントしました。
「今回の新工場は、昨年新設を決定したメキシコ新工場・中国新ライン、本年開所したインドネシア・ブラジルの新エンジン工場に続き、『競争力ある新しい工場づくり』を実践するもの。最新鋭の生産技術の導入に加え、『もっといいクルマづくり』を支える人材育成に尽力することで、UMWTを通じてより高品質の車をマレーシアのお客様へ届けたい」
(山内 博・画像:トヨタ)