ホンダの燃料電池車「クラリティ フューエルセル」は乗り心地のよさがお値段以上!?

まずは官庁や企業などへのリーフ販売から市販のはじまったホンダの燃料電池車「クラリティ フューエルセル」に乗ることができました。

すでに同じプラットフォームを使った電気自動車やプラグインハイブリッドカーの開発が進んでいることが北米では発表されていますが、やはり圧縮水素を化学反応させ電気を起こしてモーターで駆動する燃料電池車は、テクノロジー面でのイメージリーダーであることは間違いありません。

メーカー希望小売価格(参考価格)が766万円というのも、NSXの国内販売が始まるまでは価格面でのフラッグシップともいえます。

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そして、フラッグシップ&テクノロジーリーダーであっても、ホンダの思想に変わりはありません。

メカニズムを凝縮して、乗員スペースを最大にとるというM・M思想(「メカ・ミニマム」、「マン・マキシマム」に由来するホンダのクルマづくりにおける基本思想)は、燃料電池車においても重視されています。

これまでホンダの生み出してきた燃料電池車は燃料電池スタックが、フロア下を占めていたり、センターコンソール内に収められていたりしましたが、ついにフロントフード下に「昇圧コンバーター、燃料電池スタック、駆動モーター&ディファレンシャル」を三階建て構造として収めることに成功。量産燃料電池車としては初めて5人乗りを実現したと胸を張ります。

そうした小型化に効いているのが世界で初めてダイオードやMOS-FETにSiCをフル採用することで小さくできた昇圧コンバーターや従来比で33%も小さくなった燃料電池スタックといったM・M思想による技術といいます。

とはいえ、燃料電池スタックなどはまだまだ生産性が厳しく、2台/日程度の量産にとどまってしまうということです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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