さて、ポルシェAGから「911 2.5 S/T」のフルレストアのニュースが発表されました。
ポルシェ クラシックのスペシャリストによりじつに2年の歳月をかけてレストアされたという、1972年のル・マンでクラス優勝を飾ったモデルです。
ポルシェは、クラシックモデルの強化を掲げていて、今年の4月6日〜10日にエッセンで開催された世界最大級のクラシックカーイベント「テクノクラシカ」の祭典にも出展。
この「テクノクラシカ」の開幕を記念して、波乱に富んだモータースポーツの歴史とともにレストアされた「911 2.5 S/T」が紹介されたわけです。
ポルシェ クラシック代表のアレクサンダー・ファビック氏は、
「911 2.5 S/Tは、数年前に米国のコレクターによってレストアベースの状態で探し出されました。ポルシェのスペシャリストたちの巧みな作業によって、このスポーツカーは最高水準の状態によみがえりました」
と語っています。
見つかったクルマは本当に稀少なものだそうで「911 2.4 Sクーペ」をベースとしてわずか24台が製造されたレーシングカー。
「911 2.5 S/T」は、グループ3(市販車ベースのGT車両)とグループ4(改造を施したGT車両)のカスタマースポーツ用に開発されたモデルで、1971年末に当時のDr.Ing.h.c.F.Porsche KGスポーツ部門から49,680マルクで限定発売されました。
「911 2.5 S」は、タルガ・フローリオ、ル・マン、ラリーなどのサーキット用に開発された「911 2.4 Sクーペ」のワークス改造仕様であり、国際スポーツレギュレーションにしたがって厳密に変更され、特別仕様の価格はプラス19,000マルクだったそう。
「最新のポルシェが最良のポルシェ」というフレーズは、新しい商品(クルマ)にベストを尽くすというメーカーとして当然の姿勢を示しているだけで、ポルシェの旧車への愛を感じさせます。
(塚田勝弘)