モトGPマシンは前輪を上げたまま6速まで全開加速!タミヤ「レプソル HONDA RC213V発売記念トークショー」

タミヤから1/12 オートバイシリーズの新製品「レプソル Honda RC213V ’14」が3月26日(土)に発売されました。それを記念して東京・新橋のタミヤ プラモデルファクトリー新橋店で「スペシャルトークショー Moto GPチャンピオンマシンの秘密に迫る!」が開催されました。

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ゲストには元HRC契約ライダーで実車のRC213Vに乗車経験のある宮城光氏。全日本GP500ccでの優勝経験もある、日本テレビ系で放送中のモトGPの解説者です。

タミヤからはRC213V設計を担当された企画開発部の古谷氏、広報の山本氏が進行として参加されました。

 

RC雑誌に連載を持つ宮城氏はホビー関係にも精通しています。その造詣の深さは、自身のプロフィール紹介で使われた写真がNS500を始め、全てタミヤでプラモデル化されている物だという事を見抜くほど。

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山本:まずRC213Vというマシンについて教えて下さい。

宮城:RC213Vをはじめ、最近のモトGPのマシンは馬力がとにかく凄く(200ps以上)、エンジンが圧倒的に速くなりました。それを制御するために電気を上手く使う。ワンメイクですがタイヤのグリップが高い。それを補うためのシャシーをはじめ、私の現役時代と比べ、いろんな要素が高次元で融合して圧倒的なタイム差となっています。

一方で何か一つの要因がずれてもタイムやリザルトに繋がらない難しい時代になっています。

現役時代は「フロントが沈むから、もうちょっとスプリングを…」とか「車体がグニャグニャ動くのでダンパーを…」など、アナログ的な話・作業をしましたが、現在はマシンの電子化が進みシェイクダウンの時などを除いてはサーキットのピットではマシンを分解してセッティングを行う事はほとんどありません。ほとんどが電気(コンピュータ上のパラメータ変更)です。

ライダーには速さだけでなく、セットアップ能力・マシンへの理解とともに「自己表現力」が無いと速いマシンは作れない時代です。エンジニアは何でも対応してくれる。

明確に言葉で伝えるか、コース上で起きた事例を言葉に置き換えて「文章」にできないとダメです。

つまり、コース上のどこで何が起こったか、どうして欲しいのかを伝えられないとダメです。

「何所のコーナで」
「どういうターンインをした時」
「どういう減速をして」
「どういうブレーキの掛け方をして」
「フロントとリアのブレーキバランスがどの位で」
「自分がどこを向いていて」
「バンク角がどの位で」
「どのポイントで急激に舵角が変化したのを感じた」
「その時、身体を前に入れたのか・抜いたのか」(前後荷重が変わる)
「その時ロール方向について身体をどう動かしたのか」(バンク角が変わる)

…全部言葉で伝えた結果、エンジニアがテレメトリーと検証して、対応策を提案してきます。

優秀なエンジニアは5枚くらいのカード(提案)を出しますが、残念なエンジニアだとその枚数が少ない。

ライダーとしては「…これしかないんですか?」という気分になります。5枚のカードの中から、初見で3枚になり、話し合いの中で2枚…1枚へと絞り込んでいきます。その結果、セッティング変更されたマシンでライダーは安全にラップタイムを0.1秒上げて走る事ができます。