最もスバルらしい「DCCD」方式AWDの真価とは?

低ミュー路での走りはフロントヘビーを忘れさせるほどで、FFベースとは思えずFR的な挙動が印象的です。

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同乗走行の機会のあったラリードラーバー・鎌田卓磨選手の手に掛かると、アクセルコントロールでテールを滑らせ、自在に曲がれるワケですが、ハンドブレーキ形状のサイドブレーキを採用しているのもスバルらしいこだわりを感じさせる瞬間。

現行モデルには、先代WRX STIと同様に電磁式LSD(電子制御LSD)のデフロック率をロックからフリーまで6段階で設定できるマニュアルモード、走りに併せて電子制御される3種類のオートモードが用意され、「マルチモードDCCD」と呼ばれています。

こちらは、センターデフをマイナス側にするとテールスライドしやすく、より旋回しやすく、プラス側にすると安定感を抱く一方で曲がりにくくなる、という傾向。AUTOモードにすると、舵角やヨーレート、スロットル開度などを検出することでコーナリング時でもセンターを維持しやすく、マイナスにするとよりノーズがインに向きやすく、プラスにするとトラクションがより確保されます。

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「マルチモードVDC」は、挙動の限界付近で4輪個別のブレーキ制御、エンジン出力制御により車両を安定化させるもの。

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曲がりやすいFR的な挙動ですが、横滑り防止装置をオンにしておけば低ミュー路でも安全に走破できるのはもちろん、そこから先の真価はオフにして積極的にきっかけを作りながらテールスライドさせながら曲がっていくという、スポーツ系AWDらしい設定で、WRCなどラリーを主戦場としてきたスバルの真骨頂を感じさせてくれます。

(塚田勝弘)

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この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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