マイナーチェンジ後でまず気がつくのはフロントマスクでしょう。ヘッドライトの下から1/4くらいの場所にアクセントとなる横のラインが加わっていますが、今回のテーマは機能美を感じさせるデザインということで、ファンならずとも変化を感じさせる顔つきになっています。
具体的には、フードからグリルまで、凸形状を保ちながらフードセンター部をえぐることで、フロント全体の塊感と立体感を強調。さらに3本のグリルバーの上下にメッキが施されています。
また、ヘッドライトにはLEDが採用され、ランプ類を奥に配置することで破損回避を図るという、現在のトレンドといえる手法を採用。さらに目つき(顔つき)に立体感が生まれるという視覚的な効果も期待できます。
インパネは、質感の高さとオフロード系SUVらしい骨太なイメージが強かったですが、新型は金属を削り出したような、ヘアライン処理により重厚感を強調。さらに、ソフトな表皮巻を組み合わせることで、得意とする高級感の演出も抜かりなしというところでしょうか。
また、昨年秋のマイナーチェンジでも採用されなかったクラウンとは対照的に、「Toyota Safety Sense P」が採用されているのが装備面でのトピックス。
ミリ波レーダーと単眼カメラを使い、統合的な制御をするもので、クルマはもちろん、歩行者も認識する「歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ」、「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)」、「レーンディパーチャーアラート(LDA)」、「オートマチックハイビーム(AHB)」という4つの先進安全装備を用意。
ほかにも、パノラミックビューなどにより、自車周辺の安全を確認できるマルチテレインモニターを設定するとともに、今まで確認できなかった車両下の情報やタイヤ位置の確認が可能となったアンダーフロアビューを2015年8月時点で、世界で初めて採用されています。
価格帯は5人乗りの「GX」の472万8437万円〜8人乗りの「ZX」の682万5600円。
「Toyota Safety Sense P」をはじめとする先進安全装備や圧倒的といえる内装のハイクオリティを考えると、同クラスの輸入SUVと比べても十分に競争力と魅力的な内容といえそうです。
(文/塚田勝弘 写真/佐藤靖彦)