日本の半導体大手ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)とオーストリアのソフトウェア開発会社であるTTTech Computertechnik AG(以下TTTech)は、自動運転向け電子制御ユニット(Electronic Controll Unit、以下ECU)の開発プラットフォームに関し協業を開始する、と発表しました。
(画像出展:ルネサス)
今回両社が協業を行う開発プラットフォームは、ルネサスの車載制御用マイコン「RH850/P1x」と車載情報システム向け高性能SoC「R-Car」に、TTTechのADAS向けソフトウェアプラットフォーム「TTIntegration」を統合して構成される模様です。
(画像出展:TTTech)
今回の協業で開発されるECUでは、TTTechのTTIntegrationが複数のハードウェア上のソフトウェアコンポーネントを統合できるという利点を活かして、ルネサスの制御用マイコン、高性能SoCが搭載された新プラットフォームにおいて自動運転システムを開発することができます。
ルネサスとTTTechの自動運転向け開発プラットフォームでは、自動運転に求められる柔軟性と拡張性を保ちつつ、高い性能と安全性を両立させるもので、車載分野で実績のあるルネサスのマイコンとSoCに、TTTechのADAS向けソフトウェアプラットフォームを搭載することにより自動運転に適したシステムを構成することが期待できます。また、今回の開発プラットフォームは汎用的な自動車向けオープンシステム「AUTOSAR」上での各種機能安全レベルも満たしているということです。
去年の東京モーターショーでも自動運転は大きなテーマのひとつでしたが、自動運転の技術はいまだ発展途上であり、今後システムがどのように発展するかは確定していないのが実情で、そのためシステムには柔軟性、拡張性が必須です。また、自動運転には高い安全性の確保が求められています。
このような自動運転技術に要求されるハードルを克服するために、今回の両社の協業で開発される自動運転用ECUが貢献することが期待されます。
(山内 博)