新型ロードスターの模型は優しさで出来ています【タミヤ1/24ロードスター発売記念トークショー】

タミヤより新型ロードスターの1/24プラモデル発売を記念し、開催された「ロードスターの魅力に迫る」スペシャルトークショー。

タミヤのモデルパートでは広報の山本氏とスケールモデル設計担当の平田氏からプラモデルの開発について話が始まります。

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20年程前迄は取材した写真を元にA1サイズの紙に設計図を作成し、原型となる木型を作成します。木型は当初、ホウ材(朴:下駄の歯にも使われる硬い木材)・後にはケミカルウッドという樹脂素材で作成されました。

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これを倍寸(1/24モデルの場合、1/12スケール)で作成します。クルマのボディの様な物だけでなくF1のエンジンや戦車の履帯(キャタピラ)の様な物までつくられ、それを元にプラスチックを流し込む金型を彫り(=作成)します。

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この金型をセットした射出成型機でプラスチックを流し込み製品となります。そして開発はキット化の対象選定後、次の段階は現在も昔も取材(=撮影)です。

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雑誌で見る様な格好いい写真も撮りますが、対象の近くで撮るとレンズの歪みによりパースがついてしまうので、被写体を遠くから望遠レンズで撮影したりします。全体を一発で撮影したり、部分部分だけを分解し(絞り込んで)撮ります。

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部品化する対象はパーツごとに前後・左右・上下からも撮影、比率でサイズが判る様な写真が後々測りやすい写真となります。あと忘れていけないのは、ドアミラーを内側(実は色が違う)から撮ったり、シートを見る機会がない正面から撮ったりします。

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塗装の変わり目や、シート生地が何所で切り替えられているかは、プラモデルでは重要な情報(説明書の中での塗装色・場所の指示)となります。

また、ロードスターの場合、畳んだ幌のフレームは「こんな風に中に入っている」と云うのは意外と判らない部分です。

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幌を上げた所は撮り易く、そちらばかり撮りがちですが、畳んだ後にどれくらい見えるのかはオープンカーの模型化では重要です。スピードメーターやカーナビ画面も、キーをオンにしないと文字が全て見えないので、忘れずに撮らないといけない物の一つです。

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プラモデルではナビ画面はマツダコネクトの初期画面となっていますが、取材時の写真は広島の工場周辺の地図が表紙され、マツダ濃度の高い会場では笑いが起きました。

資料写真は数百、数千枚と撮りますが、平田氏の入社した頃はカメラがデジタル化していない時代。36枚しか取れないフィルムを数百本、スーツケースの底に平らに並べて収納し出張をしていたそうです。

飛行機搭乗時、X線検査の画面にはおびただしい数の丸い筒が。「イケない物密輸してんじゃない?」的な空気が流れるのだそうです。

しかし最もドキドキするのは、帰国の際にもう一度撮影済みのフィルムのX線検査。照射するX線が非常に強い国がある(という噂が有った)そうで、撮影した写真が全て使えなくなる(かもしれない)。なので「これは大切なフィルムだから」と説明しますが、大体「大丈夫だから」とチェック(=照射)されてしまいます。また、撮影漏れも現像する迄判らない、これは確かにドキドキです。

現代も設計図は作られますが、PC画面(CAD)の上では部品の分割等も考慮しながら作られます。更に3Dデーター迄起こされます。