下位陣では目だって順位を上げてきたのがシンティアム・アップル・ロータス。ドライバーチェンジで加藤寛規選手に変わってからは、ベストラップ1分49秒台というPRIUSと並ぶ勢いのラップタイムを叩きだしながら順位を上げていきます。最終的には13位。シンティアム・アップル・ロータスはレース中に、実に14台抜きという凄い速さを見せつけて、来年につないだといえるでしょう。
そして後半。レースは大きな山場を迎えます。トップを走るPRIUSにSCのおかげで差が縮まったグッドスマイル 初音ミク SLSが、谷口信輝選手のドライブで1分49秒台のベストラップを連発。徐々にPRIUSに近づいていきます。
最後はもう手が届きそうな位置まで追い上げを見せ、2位でチェッカーを受けます。そのタイム差は1秒を切っての0.976秒。グッドスマイル 初音ミク SLSにとっては今季初の表彰台。
「たられば」になりますが、もう1周あったら逆転かも知れない追い上げは見ている観衆を興奮させていました。
すでにシリーズチャンピオンを決めていた10号車GAINER TANAX GT-Rは6位となり、アンドレ・クート選手のランキングポイント3桁達成はかないませんでしたが、後半の千代勝正選手による安定の走りには王者の風格も感じられたところ。
この「2015 AUTOBACS SUPER GT Round 8 MOTEGI GT 250km RACE」をもって今年のSUPER GTは閉幕しました。
最終戦もてぎはPRIUSの速さが目立ったものの、メルセデスSLS AMG GT3のもてぎでの相性のよさ、そして表彰台に2台が上がった強さを久しぶりに感じることの出来たレースとなりました。
(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)