デンソーは、トヨタ自動車と共同で開発した環境性能と安全性能の向上に貢献する、新型プリウスのパーツを展示しています。
環境性能の向上に貢献するのはパワーコントロールユニットとモーターステーターです。
パワーコントロールユニットは、電池からのモータージェネレーターに流す電流を調整するインバーターなどを備えた製品。今回開発した新型のパワーコントロールユニットは冷却構造の改善や電子制御回路の集積化によって従来のプリウスの搭載品に比べて約33%の小型化を実現しました。
そして、モーターステーターはモーターの基幹部品で、コイルに電流を流すことで磁力を発生させ、ローターを回転させます。
今回は独自の新しい巻線方式を用いた高回転モーター用のステーターを開発し、従来の2割以上の軽量化を実現しました。
安全性の向上の貢献するパーツとしてミリ波レーダー、画像センサーが挙げられます。従来これらのセンサーは単独で機能していましたが、今回2つのセンサーの機能を組み合わせることにより、より早く正確な検知を可能にしました。
これにより、衝突回避支援(対車両、対歩行者)、全車速ACC、車線逸脱防止、夜間支援などの安全機能実現に貢献しています。この製品はトヨタ車の予防安全パッケージ、トヨタセーフティセンスPに搭載されています。
また、デンソーのコア技術であるセンシング技術やHMI技術を用いた未来のコクピット、ハーモニアス・コミュニケーション・コクピットを展示しています。
このコクピットでは、上部に装着されたイルミネーションでドライバーに危険を知らせたり、大型のヘッドアップディスプレイによって経路誘導時の進行方向や交通規制情報、注意すべき歩行者などの情報をフロントガラスに表示します。
さらに、ドライバーズステータスモニターによって、走行中のドライバーの顔の向きやまぶたの開度をカメラで検知して、脇見運転や居眠り運転を検知するとドライバーに警告します。
また、体調不良などドライバーの異常を察知すると、自動で安全なエリアに退避してくれます。
ほかにはガソリンやディーゼルエンジンのマネージメントシステムなどを展示していて、デンソーの技術がクルマの様々な部分に貢献していることがわかります。
(萩原文博)