車載用ライトの小型/省エネ化に貢献する世界初の高出力青紫半導体レーザをパナソニックが開発

パナソニックとオートモーティブ&インダストリアルシステムズは、車載用ライトや産業用照明、レーザ加工機などに使用できる、光出力を高めた青紫色半導体レーザを開発しました。

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新開発の青紫色半導体レーザは、両面放熱構造で素子の信頼性を高め、一般的なレーザ動作温度の上限である60℃においても従来の1.5倍となる4.5Wの高出力動作が可能になったことが特徴で、この開発で車載・産業用照明やレーザ加工機など半導体レーザ応用システムの小型、低消費電力化に貢献できる、ということです。

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光出力を高めるためのカギは2つあります。

1つは、従来は片面(下面)だけだったレーザ素子の放熱経路を、両面(下面と上面)に形成したことです。この両面放熱構造によって熱抵抗を従来の10.5K/W から6.6K/Wに下げることができました。

2つ目のカギは、レーザ素子と同等の熱膨張率を有する窒化アルミニウムを用いた低歪放熱ブロック構造を採用したことです。

今回開発されたレーザを複数個のレーザを用いる半導体レーザ応用システムに使用すれば、レーザの搭載個数を従来の2/3に削減できます。車載用ヘッドライトに新開発のレーザを使用すれば、光源部、更には放熱板を小さくでき、ヘッドライトの小型化、軽量化が達成でき、消費電力を削減して省エネ化を推進できるメリットがあります。

パナソニックでは、この新レーザを2019年には実用化することを目指しているようで、すでに国内 23件、海外 31件の特許を出願済みであるということです。

(山内 博/写真出典:パナソニック)