気になる乗り味ですが、話題のディーゼル「D4」と比べると明らかに軽やかなフットワークで、クルマがひと回り小さくなったような感覚。
「D4」の圧倒的といえるトルクフルな走りや、「T5」のパンチ力のある加速感とは違いますが、ノーズが軽く、郊外のワインディングを軽快にクリアしていく様は、個人的にはベスト「V40」と思えるほどのバランスの良さが光ります。
気になる動力性能も、まさに必要十分といったところで、気がつくと思ったよりも速度が出ているという印象を受けました。
6ATのトランスミッションも8速ATが用意される「D4」や「T5」と比べてもフィーリング上はほとんど遜色ないといえるもの。さらに、パドルシフトも備わりますから、ステアリングから手を離さずに指先での変速が可能なのも魅力です。
ノーズが軽くてハンドリングも軽快なうえに、乗り心地も良好なのでエントリーグレードと侮ることはできません。
価格はV40 T3が324万円、本革などの充実装備のV40 T3 SEが374万円。ディーゼルのV40 D4の349万円、V40 D4 SEの399万円と、25万円安い設定で迷う方もいると思いますが、自宅を中心としたちょい乗りが多いならガソリン仕様の方が向いていますし、頻繁に長距離を走る機会が多いなら迷うことなくディーゼルを指名すべきでしょう。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)
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