まずは乗り味です。今回の試乗コースは都内から首都高を経て東北道そして北関東道から常磐道を経由して再び都内へ戻ってくるという約300kmに設定しました。
まずアクアの乗り味ですが、信号待ちなどで止まった状態からの発進はモーターが仕事をしてくれるので、出足そして加速が非常に滑らか。街乗りではすぐに法定速度に達します。
2014年12月のマイナーチェンジ時に、スポット溶接増し打ちによるボディ剛性の向上やサスペンションのチューニングの変更そして空力性能の向上などを行うことで、リアの安定感が増し高い操縦安定性と快適性を実現しました。
その効果は街乗りだけでなく、高速道路でさらに効果を発揮します。高速道路を走っていると直進安定性は抜群で、荒れた路面でもしっかりと走ってくれます。追い越しをかける際にもエンジンとモーターのシナジー効果によってスッと加速し、スムーズな追い越しをかけることができます。
続いてアルトです。新シャシーの採用によって車両重量は650kgとアクアと比べて約400kgも軽量なため、走りは軽快そのものです。エンジンパワーで約20馬力、トルクは48Nm少ないものの、軽量ボディの効果で発進加速はスムーズです。荒れた路面でも路面からの衝撃をいなしてくれるので街乗りでの乗り心地は抜群です。
高速走行では最高速度が60km/hの首都高速では問題ないのですが、100km/hの東北道や常磐道では、直進安定性がやや不安定になります。タイヤサイズが細いことも影響しているのかもしれませんが、ステアリングをしっかりと握っていないとクルマが左右に振られることがありました。またステアリングを切ると大きく動くので車線変更の時などは少々注意が必要です。
乗り味での比較ではやはりハイブリッドによる加速力、高いボディ剛性による操縦安定性の高さでアクアが有利と言えるでしょう。