こうした被害軽減・衝突回避ブレーキのシステムは、もちろん「ポン付け」はできないわけですが、サプライヤーとタッグを組んで軽自動車が採用している従来のレーザーレーダー(赤外線)から他メーカーに先駆けて一歩も二歩も進んだのは大いに評価できます。
「アイサイト」に比べると、スズキのデュアルカメラブレーキサポートは、フロントウインドウのサイズの制約(登録車よりも軽自動車の方が左右幅が狭いため)左右のカメラの間隔が狭くなり、測定の精度では不利になります。
が、スズキの担当者によると、先述した小型化をしながら性能的にもかなり頑張ったという自信作。
この結果、スペーシア/スペーシア・カスタムが「JNCAP」の予防安全性能アセスメントにおいて、軽自動車最高となる45.8点(46点満点)という高得点で、最高ランクの評価「先進安全車プラス(ASV+)」をスズキ車として初めて獲得するに至ったわけです。
今回の「デュアルカメラブレーキサポート」搭載車は、LDWS(車線逸脱警報装置)、バックビューモニターの項目でもそれぞれ満点を獲得し、AEBS(衝突被害軽減制動制御装置)で32点満点中31.8点の高評価で、新たに「ASV+」を獲得しています。
なお、予防安全性能アセスメントは、国土交通省と独立行政法人の自動車事故対策機構(NASVA)がクルマの先進安全技術について評価し、結果を公表する制度。
前方車両に対する衝突被害軽減制動制御装置(AEBS)、車線逸脱警報装置(LDWS)、後方視界情報提供装置(バックビューモニター)の3項目の試験をもとに、46点満点の評価点が与えられます。
評価点が2点以上の場合には「先進安全車(ASV)」として認定され、さらに12点以上の場合は「ASV+」として認定されるものです。
(文/写真 塚田勝弘)