WRXの兄弟分!? 燃費で勝負しないインプレッサ・ハイブリッドを公道試乗

燃費重視であればFWD化やエンジンの小型化など様々なアプローチが考えられますが、タイヤサイズやAWDという駆動方式からもわかるように、あくまでもスバルらしさ、インプレッサらしい走りを最優先したハイブリッドカーなのです。

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その走りで印象的なのは、息の長い加速感です。

モーターアシストを一気に使い切ることなく、それでいてバッテリーに電力を残しすぎることもなく、ちょうどいい塩梅に電力を使えるようにセッティングされているおかげで、ガソリン車と比べてワンランク上の加速感が長く続くのです。

たとえるならば、1.8リッター級のダウンサイジング過給エンジンをイメージさせる、伸びやかで力強い加速を感じることができます。

モーターの高レスポンスなトルク特性もあって、CVTというトランスミッションから想像するようなルーズさも感じられません。ハイブリッドカーとしては驚くほどダイレクトな乗り味なのも見逃せません。

そうしたハイブリッドパワーにバランスされたシャシーは、けっして過激な味付けではありませんが、四輪の接地感を重視したもので、意のままに操れる印象と、快適な乗り心地の両面で「乗りやすさ」を感じさせるものです。

また、市街地走行では積極的にエンジンを使わないEVモードとなるのも特徴で、比較的に小型のモーターながら、ハイブリッドカーに乗っていると実感できる味付けにもなっています。

たしかにエコカー減税では100%に達していないインプレッサスポーツハイブリッド(取得税80%軽減・重量税75%軽減)ですが、電気モーターを走りの愉しさにつながるアイテムとして使った、スバルらしい走りを高いレベルでバランスさせているのです。

国産モデルとしては稀有な、走りを重視したハイブリッドカーというわけです。  

●インプレッサスポーツ HYBRID 2.0i-S EyeSight主要スペック
車両型式:DAA-GPE
全長:4420mm
全幅:1755mm
全高:1490mm
ホイールベース:2645mm
車両重量:1500kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
総排気量:1995cc
エンジン最高出力:110kW(150PS)/6000rpm
エンジン最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4200rpm
モーター型式:MA1
モーター形式:3相交流同期電動機
モーター最高出力:10kW(13.6PS)
モーター最大トルク:65Nm(6.6kg-m)
変速装置:CVT
燃料消費率:20.4km/L (JC08モード)
燃料タンク容量:52L(無鉛レギュラーガソリン)
駆動バッテリー種類:ニッケル水素電池
タイヤサイズ:215/50R17 
メーカー希望小売価格:263万5200円

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(写真・文:山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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