マツダ・ロードスターの発表会で開発主査が語った想いとは?

少し脱線しますが、最近のマツダは、開発主査に惹きつけるプレゼンを求めているようで、まるで大統領や首相のようにスピーチライターがいるのではないだろうか? と思わせるほど巧みな内容と話しぶりには、思わず引きこまれてしまいます。

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それでも限られた時間でのプレゼンですから、「人生を楽しもう」というキャッチを掲げ、「誰もが一瞬で心ときめくデザイン」、「誰もが夢中になるドライビング体験」、「誰もが開放的でリフレッシュできる気持ちよさ」の3つのポイントにまとめた主査。

外観デザインでは、一例としてフェンダーからドア、テールまで一筆書きのようなラインは「書道に通じるものがある」と躍動感を訴求し、フロントマスクは鋭さを感じさせるヘッドライトなどであっても「すごく下から見ていくと笑っているように見えませんか?」と愛嬌のある顔つきもアピールしたのは、初代NAロードスターのファンに向けた言葉かも。

運転する喜びを最大限追求した、最新のライトウェイト・スポーツとして誰もが最初に感じるのは座る位置。先代よりも20mm低い位置に座らせて、人が中心に来る乗車位置はその象徴といえそうです。

ほかにも、先代よりも100kg以上軽くした軽量化の努力として、スライドレバーの軽量化やリヤクロスメンバーに穴を開けて重量を軽減、溶接箇所の波型カットの採用などの細部へのこだわりのほか、ボディやシャーシなどへのアルミ素材の使用は磁石(マグネット)を使ってアピール。

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ドアなどの鉄(スチール)の部分には付きましたが、今回新たにアルミが採用されたフェンダーは「付きませんね」というパフォーマンスでわかりやすく解説していました。

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「誰もが開放的でリフレッシュできる気持ちよさ」では、インパネデザインへのこだわりだけでなく、片手で操作できるソフトトップの開閉や前方視界の拡大、車両挙動の認知性向上などのほか、毎日乗れるスポーツカーとして機内持ち込み可能なスーツケースが2つ入るトランクや移動可能なカップホルダーなどもアピール。

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スポーツカーのデザインや走りは、ほかのジャンルよりも個人の好みが明確に分かれそうですが、気になる存在であればディーラーで試乗してみてはいかがでしょうか。

好き嫌いは別にしても、開発陣の意気込みは十分に感じられるはずです。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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