ついつい低燃費に注目が集まるハイブリッドカーですが、その要であるモーターがもつ瞬時にパワーを発揮するという特性は、使い方次第で走りを劇的に刺激的なものへと変える武器にもなります。
とくに高級車の分野では、このような使われ方が多く、従来のガソリンエンジンとはひと味違った上質かつ爽快な走りがアピールされています。そんなプレミアムハイブリッドカーの中でもオススメな2台をご紹介いたします。
まずは「日産・スカイライン」です。
日産が海外で展開するプレミアムブランド「インフィニティ」のエンブレムを掲げ、鮮烈なデビューを果たした新型「スカイライン」。
「世界最速のハイブリッドへ」を謳い、躍動感と高級感あふれるボディには約3.5Lもの大排気量を誇るV型6気筒エンジンと290Nmものトルクを発揮するモーターを組み合わせたユニットが収められており、システム最高出力は364psと圧巻の性能を誇ります。
また、世界初のステアリング技術“ダイレクト・アダプティブ・ステアリング”の採用もトピック。ステアリングの動きを電気信号に置き換えてタイヤを操舵するシステムで、ドライバーの意図は正確に反映させる一方で路面の凹凸を越えた際にステアリングを取られることがなく、ハイブリッドならではの静粛かつ爽快な走りをさらに引き立てます。
お次は「ポルシェ・カイエンS E-ハイブリッド」。
生粋のスポーツカーメーカーとして有名なポルシェが手掛けるSUVである「カイエン」のプラグインハイブリッド車(PHEV)です。
333psを発揮するV型6気筒スーパーチャージャーにモーターを組み合わせ、0-100km/h加速はわずか5.9秒とスポーツカーも顔負けの実力の持ち主。しかも、燃費は29.4km/Lと驚きの低燃費。さらに、18~36kmまでモーターのみでの走行も可能なので、電気料金の安い時間帯に外部電源からバッテリーへの充電しておくだけで、近場へのちょっとした買い物程度ならガソリンを使わずにこなせます。
低燃費はもちろん、対極の走行性能にいたるまで、そのクルマの持ち味を何倍にも引き上げられるのがハイブリッドの最大のポイントであります。
さて、最近は電気自動車をはじめ燃料電池自動車といった次世代のクルマが徐々に増えています。もしかすると、ハイブリッドカーはこの瞬間を逃したら味わえない稀少なクルマなのかもしれません。興味のある方は、ぜひお試しあれ。
(今 総一郎)