レースマシンやスーパーカーにはカーボン繊維素材=CFRPが使用されている話をよく聞きます。
そのカーボンは大きく分けて、PAN系とピッチ系に分かれるんだそうです。
PAN系は弾性率が低く、しなって強度が高く、ピッチ系は硬くて弾むことが少ないので振動しにくい、そのかわりに脆いんだそうです。
その素材の特性の違いがよくわかるのがこちら。手前からピッチ系カーボン、PAN系カーボン、鉄、アルミです。
ピッチ系カーボンが一番振動を吸収しているのがわかりますね。
もちろん、どちらも軽い素材であるという特性は前提にあって、PAN系は航空機やスポーツ用品などに使用。確かに飛行機の羽は飛んでいる時に氏意外にふにゃふにゃだったり、ゴルフクラブはそのしなりが飛距離を伸ばしてるようなイメージはありますね。これに対し、ピッチ系は航空宇宙やロボットのアームなどに採用されています。宇宙では温度変化に強く、ロボットアームは弾性率の高さからぶれないのが大きな特徴です。
自動車関連ではというと、そのどちらも使用されることがあるようです。また、成形の方法でPCM工法やSMC工法などの製品を組み合わせることで、福号素材のカーボン製品がかなり主流になってきているようです。
ポルシェ918スパイダー用のルーフは既に市販されています。
コルベット用のボンネットは、試作品。エンケイとの共同で製作したカーボン、アルミ複合ホイールはアルミホイールの7割の軽さで製作できるとのこと。
アウターがPCM工法、インナーがSMC工法で製作するカーボントランクリッドの例。こちらは三菱ケミカルグループでノウハウや製法、素材を提供し、矢島工業の製品としてリリースされるとのこと。
何用か車種はわかりますか?
カーボン単体では使用範囲が限られますが、カーボンとカーボン、カーボンと他の素材を組み合わせることで様々な可能性が増えていくんですね。
(clicccar編集長 小林和久)