No.99 Michael Goulian(マイケル・グーリアン)47歳 アメリカ
グーリアンは米国北東部有数の航空学校を経営する一家に生まれ、米国連邦航空局の調査官を父に持ち、ハンガーや機体の掃除をしながら育ちました。16歳の誕生日になると自動車の免許を取るよりも早く単独飛行を成功させました。
その1年後にはアエロバティックに転向、民間航空会社のパイロットとして働くかたわら、世界有数のアエロバティックパイロットとして活動してきたグーリアンは、1995年の全米選手権・アンリミテッドクラスで優勝しています。2009年に1勝を挙げています。
No.10 Kirby Chambliss(カービー・チャンブリス)55歳 アメリカ
※レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ 2004,2006 チャンピオン
チャンブリスはRed Bull Air Raceで安定した成績を残しているパイロットのひとりで、総合優勝2回、通算8勝を挙げています。さらに、2003年の初参戦以降、毎シーズン必ず1度は表彰台に上っています。
モトクロスからモータースポーツの世界に入りましたが、13歳の時にパイロットへ転向。小さな頃からの夢を叶えました。自宅の裏に専用ハンガーと滑走路を持つチャンブリスは、毎レース上位候補として名を連ねており、その期待に応える活躍を続けています。
No. 26 Juan Velarde(ファン。ベラルデ)40歳 スペイン
ベラルデはB-747の機長だった父親の影響で飛行機に興味を持つと、高校卒業後にアラスカ州へ渡り、自家用機ライセンスを取得。その後スペインへ戻ると、グライダーの牽引の仕事に就きながら、民間機用ライセンス取得に向けた勉強を続けました。1999年にエアロバティックをスタートさせると、まもなくスペイン代表チームに選出され、2004〜11年にかけて開催されたすべてのヨーロッパ・世界選手権に参加したスペインを代表するパイロット。
Red Bull Air Raceの熱心なファンである彼は初年度からフォローしており、2008年以降参加を目標にしながら世界でソロとフォーメーションのパフォーマンスを披露し続け、今年遂に長年の目標に到達しました。
No.31 室屋 義秀(むろや・よしひで) 42歳 日本
18歳でグライダー免許を取得し、パイロット人生をスタート。20歳で渡米し、飛行機のライセンスを取得しました。その後アルバイトで費用が工面出来るとアメリカで訓練を行い、24歳で初めて競技会参加。同時に国内のエアショー活動を開始しました。
その後幾つかの運命的な出会いの後、 2009年より日本・アジア人として唯一レッドブル・エアレースに参戦。ストイックなまでに身体を鍛える姿勢と飛行前の精神集中の姿が凛々しいと飛行以外にも注目が集まっています。
2014年の第2戦ロヴィニ大会で初表彰台を獲得(3位)、2015年の開幕戦の予選は3位(決勝6位)。悲願の母国・千葉大会より満を持して、新機種Edge 540V3を投入し、より上位成績獲得の期待が高まっています。
「地上」のモータースポーツと違い、エアレースは最年少でも30代。若手は40台中盤。去年のチャンピオンはもうすぐ還暦…とおっさんパワー爆発です。しかし、出身にかかわらず、育成プログラムで培養されていない「自力で這い上がった人」ばかり。
飛行機という最も洗練されたマシンを扱う人達なのに、どこかワイルドな薫りに溢れています。
顔と機体が一致すると、応援する楽しみも増えますよね。室谷選手と是非もう一人は、お気に入りの選手をみつけて応援して下さい。
Photo:Joerg Mitter / Predrag Vuckovic/Andreas Langreiter / Red Bull Content Pool
Text:川崎BASE