もし、軽自動車の購入を考えているのならば、まず検討すべきは全高1700mm以下の“ハイト系”。定番は「スズキ・ワゴンR」と「ダイハツ・ムーヴ」です。お互いに実用派モデルとして切磋琢磨してきましたが、昨年に大きな方向転換がなされました。
「ワゴンR」は“S-エネチャージ”と呼ぶ低燃費技術を新搭載。燃料を多く必要とする加速時にモーターでエンジンをアシストすることで燃費が向上。軽自動車ではトップクラスの32.4km/Lを実現し、実用性にさらなる磨きをかけてきました。
一方、昨年にフルモデルチェンジを果たした「ムーヴ」が打ち出したのが“上質感”でした。新開発のボディとサスペンションは走行時のふらつきをコンパクトカー並みに抑えることで、快適性と安心感が大幅にアップ。さらに、パワーモード切り替えスイッチ「D assist」を軽自動車として初採用するなど、カタログでは表現できない魅力が強化されています。
ただ、「いかに低燃費か?」を争点に戦いが繰り広げられていた“ハイト系”の変革をひと足早く予期していたモデルがあります。それが「ホンダ・N-WGN」です。
ホンダの十八番である“センタータンクレイアウト”を採用することで、広い居住空間と荷室を持つほか、後席座面下と荷室床下にも収納スペースが用意されています。
さらに、エンジンにはレースで培った技術を投入。ターボでの過給なしに58ps/65Nmを発揮し、50km/hまでの加速感は随一の力強さがあります。しっかりとした手応えのあるハンドリングと相まって、クルマを操る歓びも感じられる稀少な一台です。