FCV「MIRAI」の価格を2022年までにクラウンHV並みへ

「FCスタック」についてはMIRAIの量産化までに出力を向上させつつ、セルの枚数を先行開発段階から30枚削減するなど、既に努力の跡が窺えますが、コストの多くを占めている化学反応促進用レアアース「白金触媒」からの脱却が必要。

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また「高圧水素タンク」についても衝突時の安全性確保のため、高価な材料(CFRP、GFRP)が使用されており、使用量の見直しに加えて室内スペースへの影響から抜本的な小型化が望まれます。  

TOYOTA_MIRAIガス事業大手の岩谷産業が得意とする「液化水素」をFCV側で使用可能になれば、あえて水素ガスを昇圧する必要が無くなり、タンク容積を大幅に低減できる可能性も。 

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トヨタやホンダでは、後続他社に対するアドバンテージ確保の観点であらゆるコストダウン策に取組んでいると思われますが、世界的な環境規制強化に伴い、FCVが普及期を迎える2020年以降は欧米勢との競争激化が確実視されるだけに、コスト低減に向けた技術力が勝敗を分けることになりそうです。

■トヨタ MIRAI Webサイト
http://toyota.jp/mirai/?padid=ag001_i_carlineup_search

■経産省 水素・燃料電池戦略ロードマップ(PDF資料)
http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140624004/20140624004-2.pdf

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【画像をご覧になりたい方はこちら】 https://clicccar.com/2015/04/26/304841/

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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