「胃が痛くなる」とCAが恐れる、非常救難訓練を体験してみた

訓練プログラムとして用意されたシーンは合計13パターン。今回は、前輪にトラブルが発生して、着陸後に異常傾斜状態で停止した機体から脱出する「突発陸上脱出訓練」と、エンジントラブル発生による海上への緊急着水を想定した「予告海上脱出」の2つの訓練を体験しました。

前方のモニターや窓にはその内容に応じた風景が映し出され、音とともに臨場感を高めます。

どちらの訓練にも共通するのは、乗客を落ち着かせるパニックコントロール。

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ほとんどの乗客は、緊急事態に遭遇するとパニックに陥りそうになるはず。そこで、どれだけ毅然とした態度で乗客を落ち着かせられるかがCAとして重要であり、安全性を高めるポイントになってきます。

当然、インストラクターの表情はいつものCAスマイルではなく怖いほどの真顔。「あなたは脱出する人を援助してください」と非常口前の席に座っていたボクへの指示が的確だったのは言うまでもありません。

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機外への脱出は見るとのやるのでは大違いですね。こうして立ってみると、スライドは下から見ていた以上に傾斜がきついうえに高低差はけっこうなもの。実は、滑り降りる最初の一歩をちょっとだけためらいました。

しかも滑ってみたら、予想以上にスピードがついてまたビックリ。滑った先にあるクッションマットは飾りじゃありません。

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インストラクターの滑りは、さすがの安定感。

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脱出訓練に使うモックアップは複数あり、どれもドアは実際の地上からの高さと同じになっています。この写真はボーイング747のもの。スライドが出ているドアは1階で、その上にある開口部は2階部分。建物だと3階程度となるここから滑り降りるのは、かなりの勇気が必要だと思います。

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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