■ホンダの経営戦略とセダン市場の潜在ニーズが合致
新型グレイス開発責任者の広瀬LPL(ラージプロジェクトリーダー)は、もともとはシティの開発プロジェクトのリーダー。ただ当初セダンのシティに、国内導入計画はありませんでした。ところが近年、国内コンパクト市場の活況を受け、多様化していく価値観に対応するために、トップダウン判断でシティの日本導入が決まりました。
開発陣は、地方ディーラーで聞き取りを実施。その結果、地方や女性層には「5ナンバーセダンはいいもの」というポジティブな印象が残っていること、またコンパクトセダン市場は消えたのではなく、乗り換えるクルマの方が消滅していたことが判明しました。そしてニーズの鉱脈を捉えた開発陣は、日本専用にハイブリッド仕様を開発したのです。