ロケット噴射でハンドリングを鍛えた初代シビック!

前回「日本の傑作車シリーズ・第1集日産スカイライン」でも紹介したとおり、傑作本では開発やデザイン・メカ解説だけではなく、懐かしの透視図や計測データも掲載されており、見所満載です。

続いての第2集では、初代ホンダシビックが登場。なんと、ロケット噴射を使って過酷な走行試験を課すなど、こちらもトピックス盛り沢山となっておりますゾ〜。

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■ロケット噴射で高速走行時の横風対策!?

シビックは、ホンダ初の普通乗用車。ボディはトランク型の2ドアと3ドアハッチバックの2種類で、エンジンは1.2Lの直4を搭載しました。小柄なボディに対して排気量を大きくしたのは、世界市場に打って出るためと、環境対策によるパワーダウンを見込んでのこと。世界をアッと言わせた低公害CVCCエンジンは、この時点ではもう少し先のお話デス。驚いたのは、高速走行時にリアに横置きしたロケットを噴射する横風対策の操安テスト。当時は、ここまでやっていたのですネ。

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■開発責任者・木沢主任研究員のメッセージが熱い!(本文引用)

★各グループの案は、意外なほど似ていた。主任グループ案と研究員グループ案などは、ディメンションまでおなじだった。結局、プロジェクト・リーダー段階で最終案にしぼるのにも苦労はなかった。

★寸法は”最小”がいいと考えた。もちろん、この”最小”は、世界的に通用する寸法としての”最小”という意味である。その寸法で開発をおこない、もし、どうしても寸法的にガマンならない部分がでてきたら、そこは大きくしていこうという考えかたをとった。

★正直にいって、今回だけは不安だった。このようなクルマを、世の中は、いったいどう受けてくれるのか、心配でならなかった。・・・このクルマは、このような(カタログ性能を重視した)評価基準、そのようなクルマを否定するところから出発した。

★”本物”のクルマとは、カタログ性がひかえめであっても、実用性能もラリーやレースでのポテンシャルとを兼備した”両面のクルマ”ではないだろうか。

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CIVICのネーミングは、その名のとおり「市民の、公民の、都市の・・・あらゆる人々のクルマ、世界市民のベイシックカー」という意味から付けられました。初代シビックのデザインスケッチを見ると、本当にコンパクトカーらしくクリーンでシンプル。ホンダ普通車の発祥というか原点を、強く強く感じた次第です

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■電子本:日本の傑作車シリーズ 第2集ホンダ・シビック
http://3a.as-books.jp/books/info.php?no=NMS19721001

■第1集ハコスカ:「ミスタースカイライン」櫻井真一郎氏がハコスカ開発直後に寄せた寄稿文があった!https://clicccar.com/2014/04/26/253661/

(拓波幸としひろ)

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