マツダのオートマが「機械振興協会会長賞」を受賞した理由とは?

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ダイレクトなオートマチックトランスミッションといえば、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)というトレンドですが、じつはマツダのSKYACTIV-DRIVEは、トルクコンバーター式ステップATなのです。

トルクコンバーター式というとダイレクト感が希薄で、どこか滑っているといった印象もあるかもしれませんが、マツダのSKYACTIV-DRIVEは、ロックアップといってダイレクトにつながっている領域を、それまでの49%から82%へと拡大したことで、乗りやすさとダイレクト感を両立しているのがポイントということです。

ただし、従来機構のままロックアップ領域を拡大すると、パワートレイン全体の振動やロックアップクラッチの耐久性など、いくつもの問題が発生するといいます。

その課題をクリアするためにロックアップクラッチを湿式多板タイプにするなど独自のアイデアや構造を採用したのが、SKYACTIV-DRIVEの特徴であり、そうしたオリジナリティあふれる設計と「SKYACTIV-D」とのコンビネーションによりクリーンディーゼルエンジンの普及につながっている点も受賞のポイントということです。 

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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