ダイレクトなオートマチックトランスミッションといえば、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)というトレンドですが、じつはマツダのSKYACTIV-DRIVEは、トルクコンバーター式ステップATなのです。
トルクコンバーター式というとダイレクト感が希薄で、どこか滑っているといった印象もあるかもしれませんが、マツダのSKYACTIV-DRIVEは、ロックアップといってダイレクトにつながっている領域を、それまでの49%から82%へと拡大したことで、乗りやすさとダイレクト感を両立しているのがポイントということです。
ただし、従来機構のままロックアップ領域を拡大すると、パワートレイン全体の振動やロックアップクラッチの耐久性など、いくつもの問題が発生するといいます。
その課題をクリアするためにロックアップクラッチを湿式多板タイプにするなど独自のアイデアや構造を採用したのが、SKYACTIV-DRIVEの特徴であり、そうしたオリジナリティあふれる設計と「SKYACTIV-D」とのコンビネーションによりクリーンディーゼルエンジンの普及につながっている点も受賞のポイントということです。
(山本晋也)