元サッカー日本代表の中田英寿氏と工場・製造業求人サイト「e仕事」を運営する日研総業株式会社が組み、モノづくりによって日本の若者の働き方を豊かにしていくプロジェクトを昨年立ち上げました。
そのプロジェクトとは“モノづくりニッポン e仕事×Re VALUE NIPPON”。
昨年6月にプロジェクト第一弾として、ワールドカップで盛り上がっていたブラジルに「nakata.net Cafe 2014@サンパウロ」を期間限定でオープンし、「e仕事」で募集したPRスタッフがカフェに訪れた人たちに日本のモノづくりの魅力を発信する取り組みを行ったのです。
そしてプロジェクト第二弾となる、ジャパンクオリティを継ぐ「塗師」募集・育成キャンペーンプロジェクトについての発表会が本日行われました。
会場には中田氏(写真中央)をはじめ、漆芸家で人間国宝の室瀬和美氏(写真左)、日研総業社長の清水浩二氏(写真右)らが出席。
ジャパンクオリティとして世界にアピールできる技術のひとつ「塗り」に着目し、次世代の“塗師(ぬりし)”を「e仕事」で募集することを発表しました。
応募者のなかで採用が決まった人には、人間国宝の室瀬氏や塗装のスペシャリストから技術や知恵を学び、研修の一環として中田氏とともにイタリア・ミラノで発信イベントなどに参加し「塗り」の魅力を現地で伝えるとともに、ワークショップなどを通じ次世代のモノづくりに必要な技術を習得します。
このプロジェクトについて中田氏は「日本の美は長年培われてきたもの。(このプロジェクトを通じて)たんに伝統技術を伝えるだけではなく、日本人としての美意識を持つ人材として育てたいです」とコメント。
また大学時代はサッカー部に所属したことから中田氏を親交が深いという室瀬氏は「日本文化は生活の中に美を求めるもの。自動車の塗装などそのことを表現するのには一番わかりやすいかもしれません」と塗師視点から見ても日本の塗装技術が優れていることを強調しました。
会場にはプロジェクトで現代塗装講座を監修する関西ペイントが海外自動車メーカーにプレゼンするためのサンプルが展示され、ゲストとして関西ペイント執行役員の宮武啓次氏、親和自動車・塗装チームの菅原健二氏が駆けつけましたが、“塗り”のスペシャリストによると、実は一見繋がっていないと思われる漆塗りと自動車の塗装は技術的に共通することが多いとのこと。
「自動車を補修し塗装する工程は、漆器を修復する工程と変わりません」と室瀬氏は話してくれましたが、自動車の塗装技術は漆器に必要だとされ日本の職人が培った「知恵」と「技」が活かせるものなのだと強く感じました。
今回のプロジェクトは製造業に興味がある方を中心に1月13日~31日まで募集され、若干名(最大5名)が採用されます。
日研総業の清水社長は「これからの時代に通用する塗師を塗装のスペシャリストとともに育てるプロジェクトです。モノづくり好きな方はぜひ応募してもらいたいですね」と話したが、人間国宝をはじめ塗装分野のスペシャリストに技術だけでなく知恵や精神まで学べるまたとないチャンスですね。
(写真左から宮武啓次氏、菅原健二氏、室瀬和美氏、中田英寿氏、清水浩二氏)
・ジャパンクオリティを継ぐ「塗師」募集・育成キャンペーン
http://1145.jp/monozukuri/
(テヅカ・ツヨシ)