カーボン製法の最先端を知る! 国際会議場のスペシャルイベント【東京オートサロン2015】

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CFRPとはカーボン・ファイバー・レインフォースド・プラスチックのことで、漢字にすると「炭素繊維強化樹脂」。樹脂パーツの剛性・強度を高めるために炭素繊維を使うというもの。ちなみに、ガラス繊維を使うタイプはGFRPと言いますが、一般にはFRPという風に呼ばれています。

さて、FRPではハンドレイアップというすべて手作業による成形方法もありますが、CFRPで「カーボン」に期待される強度を出すには、オートクレーブ(AC)という手法を使うのが常識とされてきました。

しかしAC工法では、プリプレグ(カーボン繊維に樹脂を含浸させた、半生状態のシート)をカット、型に積層、シートでカバーし、高圧窯の中に入れ、数時間後に取り出して、型から外して、最後に仕上がるという長い工程が必要でした。

 そのため量産性が悪く、カーボンパーツは高価という印象につながっていたのです。

しかし、チャレンヂでは、量産性に優れ、なおかつAC工法で製造したものと同等以上の強度を確保できる製法を探ってきたといいます。

そして、たどりついたのが「PCM(高速複合プレス成形)工法」というわけです。

プリプレグを使うところはAC工法と同様ですが、シートカットして以降の手順は、ヒーターで70~80度に熱した後に樹脂型によるプリフォーム、熱した金型によるプレス成形、そして完成といった具合に、大幅に工数を減らしています。また、プレス成形により数分で硬化するので、生産性も大幅にアップしたといいます。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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