その注目すべきポイントは大きく3つ挙げられます。
1.コンパクトな燃料電池による5人乗車の実現
燃料電池車の開発において、燃料電池ユニット「FCスタック」の小型化は大きなテーマです。ホンダの次世代燃料電池車では、フロントのボンネット内にFCスタックと駆動モーターなどを収めることで、キャビンへの影響を最小限としています。これによりリヤのスペースを確保、5名乗車を可能としています。
2.圧縮水素タンクは70MPa
これまでホンダの燃料電池車は35MPaの圧縮水素タンクを使っていましたが、次世代FCVでは70MPaの高圧水素タンクを採用することが発表されました。これにより700km(JC08モード)相当の航続距離を可能にしているといいます。こうした好燃費には空力ボディも効いているということです。
3.最大9kWの外部給電機能
自治体などフリートユーザーを前提に、現行の燃料電池車「FCXクラリティ」にも外部給電機能を用意していますが、次世代燃料電池車では最大出力9kWの外部給電ユニット「Honda Power Exporter CONCEPT」を設定。車両と合わせて世界初公開されています。これにより走る発電機として、災害時などに役立つことも考慮されています。
リヤタイヤの上部をスパッツでカバーするなど、いかにもホンダらしいルックスの燃料電池車コンセプト。外観は、ほぼこのままで市販モデルとして洗練されると予想される一台。トヨタからも燃料電池車が発表されますが、ハイブリッドカー同様に、こうした切磋琢磨が次世代ビークルを進化させるといえそうです。
(山本晋也)