日産が第二の電気自動車を商用車e-NV200で走り出した試練とは!?

リーフで電気自動車メーカーのイメージを強めてきた日産が、電気自動車の第二弾として登場させたのはライトコマーシャルビークル(LCV=小型商用車)のNV200をベースとしたe-NV200でした。

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そのe-NV200の出荷式がリーフも生産する日産自動車追浜工場で行われました。

 

出荷式とはあまり耳慣れない言葉です。世の中に初めて生産されたものが出てくるときはラインオフ式などということが多いです。が、実はe-NV200は、スペイン・バルセロナで生産される外車です。追浜工場では生産されるのではく輸入車が日本向けになる最終行程とチェックを行うPDI(納車前点検)がここ追浜で行われるのです。

バルセロナからはビデオメッセージが届いています。

 

具体的には、フロアマットの取り付け、ディーラーオプションのセット、新車ビニールを剥がすなどの作業と車両のチェックを行っているそうです。例えば、光を当てて塗装面や凹みなどを調べます。

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出荷式には片桐隆夫副社長、高橋徹工場長のほか、すでにe-NV200の導入を表明している企業や自治体などの中から、日本郵便、みやぎ生活協同組合、DHLジャパン、リビエラリゾート、横須賀市、薩摩川内市からの6名が登壇し、その使い道などをアピールしました。

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自由に、どこまでも遠くへ行きたい欲求を満たす乗用車は、航続距離においても人それぞれ、場合によってそれぞれですが、LCVの場合は、配達エリアやルートが決まっていたり、稼働する時間が限られていたりします。

静粛性、クリーンなイメージが必要な商売、配達などではストップアンドゴーが多いであろうことなども含め、実はLCVは乗用車より電気自動車に向いていると言えます。

輸送コストが厳しい目で見られ、使い方も場合によってはハードになる商用車は、「愛車」として保護される乗用車とは違った本来の道具としての価値観が問われるはずです。EVの商用車が走り始めることは、電気自動車の本格的な始まりに突入したと見ることもできます。しかし、商用車EVが普及しないのなら、本来の輸送機器としての価値無しと判断されたとして、乗用車EVの普及を占う試金石と言えるかもしれません。いずれにしても、そう言った意味で電気自動車を推進する日産にとっても乗り越えなければならない試練に入ったと見ることができるでしょう。

(小林和久)

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この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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