スペシャリティ感のあるハスラーも、ワゴンRがベースですから10台中8台が「スーパーハイト」か「ハイト」ということになります。
サイズとエンジン排気量、さらには自主規制値であるパワーなどに縛りのある軽自動車では、室内空間と開放感を確保するには、上に高くなるしかありません。
全高にも2m以下という制約がありますが、2mは相当高く、ヴェルファイア/アルファードが1.9mという全高を考えると、2m近い軽自動車が生まれるとかなり高く感じるはずです。
ダイハツが11月に発売する新型軽乗用車は、タントの1750mmよりもさらに高い全高1835mmで、ステップワゴンの全高1815mm、ヴォクシー/ノアの1825mmを上回ります。
それでもキャブオーバー型のアトレーワゴンの1875mmよりは低いわけですが、エンジン搭載位置を考えると、キャブオーバー型は別格。
これだけ背が高いと気になるのが、まずは走りへの悪影響です。ダイハツでは「全高1835mmに対応した、高い車両安定性と乗り心地の良さ」、「直進安定性を高める空力フィンの採用」、「軽量化による重心高の抑制」を掲げています。
具体的には、「フロントアブソーバーロッドやリヤアブソーバーのサイズアップなどによる高剛性化を行い、安定性を向上。さらにウレタンバンプスプリングの採用やスタビライザーの標準装備により、ロールを抑制し、操縦安定性と乗り心地を高い次元で融合した、安心感のある走行性能を実現」という対策を掲げています。
さらに、「空気の流れに着目し、ダイハツ車で初めて空力フィンを採用することで、直進安定性を向上」、「ルーフパネルなどの板厚最適化や外板の樹脂化で、重心より上の部品を軽量化し、タントと比較して、全高85mmアップに関わらず、重心高は約10mmのアップにとどめ重心高を抑制」と公表しています。
これだけ全高が高いとロール制御や横風に対する走行安定性などの対策は容易ではなく、新型コペンを世に送り出しているダイハツがどういった仕上げをしてくるのか、大いに注目です。