というのも、先代デミオはとくにMTなら1.3Lでもそこそこ走りも楽しめるし、1.5Lの「スポルト」なら高速道路でも流れを十分にリードできる快足ぶりが光っていたからというのもあったからで、先代の「SKYACTIVE-G 1.3」はガソリンエンジンでどれだけ燃費をよくできるか、という点が主眼だっただけに仕方のないところではありますが。
さて、エンジンだけでなくボディからシャーシまで「SKYACTIVE全部のせ」になった新型デミオ。
今回のテーマであるガソリンエンジンは、AT車で24.6km/L、MTで21.8km/L。先代デミオの「SKYACTIVE-G 1.3」は、世界一の高圧縮比「14.0」だったわけですが、新型デミオのガソリンでは「12.0」に下げられています。
狙いはトルクの向上で、先代よりも全域で5〜10%トルクをアップさせながら、燃費を同等レベル(先代の25.0km/Lから24.6km/Lに少し下がっていますが、実用燃費では大差ないはず)。
最高出力は先代の84ps/5400rpmから92ps/6000rpm、注目の最大トルクは112Nm/4000rpmから121Nm/4000rpmと向上。
先代と現行のガソリン車は車両重量は大差なく、実際に乗ってみてもトルク/パワーアップの効果は明らかで、登り坂でも中・低速トルクは不足を感じさせませんし、ガソリンエンジンらしく高速域の伸びも軽やか。
ディーゼルエンジンと比べると約80kgも軽いというガソリンエンジンは、当然ながらフロントノーズも軽いですからコーナーでもよりスムーズに曲がれますし、クルマ全体が軽いのは直線でも十分に伝わってきます。
ディーゼルが少しグランドツーリング的なイイ意味での重さや、ひと回り大きなクルマに乗っているような印象があるのに対し、AT車だとディーゼルよりも車両重量では100kg軽いですからガソリンはライトウェイトスポーツのような軽快感が魅力。
「SKYACTIVE-G 1.3」と比べると、燃費はもちろん、走りの楽しさも諦めないどころか、グッとレベルアップ。プラットフォームからすべてを作り直したマツダの意気込みが伝わってきます。
マツダ新型デミオで長距離を走るクルマ好きなら迷わずディーゼルを選びたい!
https://clicccar.com/2014/10/03/270872/
(塚田勝弘)