国産セダン受難の時代にスバルWRX S4・WRX STIは売れているのか?

WRX STIは好事家向けの「好きな人が買う」特別なモデル。一方のWRX S4は「レガシィB4」のように「レヴォーグS4」とはしていません。

とくにWRX S4は、スバルの強烈なアイコンであるWRXを冠しながらも、MTを設定しないことからも分かるように、WRX STI Aラインの後継的な役割も担わせつつ、新しいファン層を獲得しようとする野心作、もとい意欲作といえるでしょう。

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前置きが長くなりましたが、WRX全体として月販目標台数は650台と、意欲作の割に控えめな設定である感じもしますが、先述した市場動向を睨んでのことでしょう。

8月25日から9月24日までの約1か月での受注台数は、シリーズ合計で約6倍、スバルは大変好調なスタートを切ったとアナウンスしています。

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気になる車種別では、WRX S4が1992台で目標台数400台の約5倍、WRX STIが1843台で目標台数250台の約7.4倍、合計で3835台となり、約6倍(5.9倍)となっています。

台数は若干S4が出ていますが、目標台数ではS4が約5倍、STIが約7.4倍ですから、やっぱりSTIは黙っていても!? 売れるんだ……と思った方もいると思いますが、新型車の発売当初は、「高い仕様がよく売れる」傾向がありますから妥当かも知れません。

グレード構成比は、WRX S4の2.0GT EyeSightが25%、2.0GT-S EyeSightが75%で、レヴォーグ同様にGT-S人気は健在。

WRX STIは、STIが45%、STI Type Sが55%で、こちらも「ビル足」のType Sが若干売れていますが、STIでも十分な戦闘力や外観の迫力を備えていますから、頷けるものがあります。

ボディカラーでは、S4はクリスタルホワイト・パールが28%で、1番人気。以下、アイスシルバー・メタリック(24%)、WRブルー・パール(18%)、クリスタルブラック・シリカ(17%)、ダークグレー・メタリック(9%)、ライトニングレッド(4%)と続いています。

WRX STIは、やはりWRブルー・パールが断然の人気で半数近い46%が選択。2位がクリスタルホワイト・パール(24%)、クリスタルブラック・シリカ(14%)、アイスシルバー・メタリック(7%)、ダークグレー・メタリック(6%)、ライトニングレッド(3%)となっています。

年齢別では、WRX S4が40~50代で約6割、WRX STIが30~40代で約7割となり、40代のユーザーが中心とのことです。トヨタ86やスバルBRZは、もう少し10代から20代、30代の比率が高そうですが、ドア枚数と価格の違いも影響しているはず。

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買い替えか新規購入(買い増し)かですが、スバルの中ではとくにWRX S4が輸入車からの買い替えが多いとのこと。もし、ドイツ製セダンやハッチバックからお客さんを奪えているのであればスバルの狙い通りかもしれません。

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なお、ユーザーからは「優れた走行性能と安全性能を併せ持った新しいスポーツセダン」、「走りの楽しさと上質な乗り心地に魅かれた」、「これまでの国産車に少なかった上質で乗りやすい、本物のスポーツセダン」など、スポーツ性能と快適性の両立が評価されているようです。

スバル WRX S4/WRX STI発表! S4は334万8000円〜、STIは379万800円〜
https://clicccar.com/2014/08/25/265696/

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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