また、こうしたスポーツカーの場合、ブレーキは利きがいいだけピーキーで扱いにくいものもありますが、タウンスピードや首都高速くらいの流れならそれほど神経を使わずに済みます。
「F-TYPE R Coupe」を含む「F-TYPE S」以上には、1秒で100回測定するというアダプティブダンピングが備わり、最大で毎秒500回もダンパーの調整をするそう。
なんせ前235/35ZR20、後295/30ZR20というタイヤサイズですから、乗り心地は推して知るべし。
それでもF1マシン並みのねじり剛性が自慢のアルミモノコックボディと、減衰力の高いシートもあって意外と不快でないのが不思議です。
また、トルクベクタリングもその効果を実感できる速度域に達していないのか、あるいはその作動が自然なのか感知できず。
同じく、「F-TYPE R Coupe」にのみ用意される「電子制御アクティブ・ディファレンシャル」もこの条件下では当然感知できず。解放からフルロックまではわずか0.2秒以下だそうで、腕に覚えのある方ならサーキットなどで重宝しそうです。
しかし、ジャガー史上最もクイックな油圧式ステアリングのフィーリングはグレードを問わず自然で、しかもアルミボディのサイズを感じさせない身軽な身のこなしには、都市部でのちょい乗りとはいえ、魅了されっぱなしでした。
なお、最上級の「F-TYPE R Coupe」には、タッチスクリーンでエンジンやステアリング、サスペンションなどの設定が可能な「コンフィギュラブル・ダイナミック」も備わり、価格は1286万円という設定です。
■ピュアスポーツカーの走りに心躍る! 【ジャガーFタイプ・クーペ試乗記01】
https://clicccar.com/2014/08/20/265202/
(塚田勝弘)