―――SUGOを終えてから富士に入るまではどんな様子でしたか?
佐々木:本当にチームで、かなり深いミーティングを重ねました。僕自身もこれまでのことを踏まえながら考えられることの全てを意見して、皆で話し合いました。富士に対してはどんな状況になっても冷静に対応出来るようにあらゆる角度からシミュレーションを重ねた。
―――悔しい経験が富士の優勝につながりましたね。
佐々木:やはり、レースでの悔しさはレースでしか解消出来ないんですよね。
―――車の特性的には苦手とする富士でポール・トゥ・ウイン。大きな、大きな一勝ですね。
佐々木:最初に描いていたシナリオでは、得意とするSUGOで大量ポイントを獲る予定だった。でもそれを逃してしまった。シリーズチャンピオンを獲るために残された道は、ここ、第5戦の富士で大量ポイントを獲らないと可能性がゼロになる。今回の優勝を得て、本当にギリギリのところでチャンピオン争いをする権利にしがみつくことが出来ました。苦手としていた富士ですが、今週末はフリー走行も予選も決勝も全てのセッションでトップを獲ることが出来ました。これはチームにとってもドライバーにとっても大きな自信にもつながった要素です。
―――井口選手はチェッカー後、泣いていましたね。
佐々木:チェッカーを受けたとき、山野(哲也)選手の顔がよぎったそうです(笑) 山野さんがずっとスバルチームを引っ張り、築き上げてきた。その山野さんが引退し、僕がエースドライバーとなり、山野さんの代わりに井口が入ってきた。僕らは口にさえしていなかったけれど、ずっとプレッシャーがのしかかっていたんだと思います。それが勝ったことで少し肩の荷が降ろせたというか、少しホッとしたんだと思います。そんな彼の思いがあっての涙を見ていたら僕も少し、うるっとしてしまいましたね(笑)
―――レースを見ている側としては61号車の週末は本当にドラマチックな週末でした。次は8月31日、佐々木選手の地元である鈴鹿サーキットですね。
佐々木:はい。鈴鹿は車的にももちろんドライバー的にも得意なサーキット。今回の優勝に甘えず、しっかりと鈴鹿で勝ちたい。ミシュランタイヤも夏場は特に高いパフォーマンスを発揮してくれることも追い風になると思います。ここからが正念場。ぜひ応援をよろしくお願いします! みなさんの声援も僕らの原動力です!
(インタビュー:鈴木珠美/写真:吉見幸夫)
Super GT300・61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT
ドライバー:佐々木孝太・井口卓人
Rd1 岡山国際サーキット 予選12番手・決勝21位(天候:曇・雨・晴)
Rd2 富士スピードウェイ 予選2番手・決勝12位(天候:晴)
Rd3 オートポリス 予選1番手・決勝2位(天候:晴)
Rd4 SUGOサーキット 予選2番手・決勝14位(天候:曇)
Rd5 富士スピードウェイ 予選1番手・決勝 優勝(天候:雨)
Rd6 鈴鹿サーキット 8月30日~31日