SUBARU BRZ R&D SPORT、今期初優勝の裏側【スーパーGT300 佐々木孝太インタビュー】

―――風雨が強くなりセーフティカー導入で赤旗中断となったときは、せっかく築いたマージンがゼロになりました。そのときはどういう心境でしたか?

佐々木:それも想定していた範囲でした。あの天候、状況では確実にセーフティカーは入るなと。だからこそ、しっかりと周囲に、ライバル勢に速さをアピールしておくことが重要なことでした。

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―――コース上はところどころ川になるほどの雨量でしたが、心境的にはどういう状況でしたか? 一番心理的にハラハラさせられた状況はどのタイミングでしたか?

佐々木:朝のフリー走行時に、これくらいの雨量になると赤旗が出るんだなというタイミングを確認していたので、逆に言えば、赤旗が出るまでの雨量なら耐えられることが分かっていたから冷静に対応することが出来ました。……僕自身が一番、全集中力を注いだ瞬間はリスタートした後の1ラップ。ここでしっかりと秒単位で引き離さなければと思い、予選と同じくらいの猛プッシュ、全開で走りました。

―――しっかりと速さを周囲に見せておくという作戦ですね。多くのマージンを稼ぎ、44周目に井口(卓人)選手に交替となりましたが作戦通りでしたか?
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佐々木:予定の周回数よりも引っ張りました。雨がいつまた振るのか? それとも雨量が減り路面は乾いていく方向なのか? 先が読みにくい状況だったので、後半難しいコンディションだったとしても対応が出来るようにと、チームとは無線でやり取りしながらベストなタイミングを計っていました。
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―――前回、SUGO第4戦ではチームの指令ミスでペナルティを2度受けてしまうという残念な展開になりましたが、その悔しい経験が見事に活かされたと言っても良いくらいの冴えわたるジャッジだったと思います。

佐々木:前回は完全に判断ミス。でもチームだけでは無く僕自身ももっともっと冷静にジャッジしていれば避けることが出来たかもしれない。何より……本当にファンの方々や応援してくださる方々に申し訳なく、情けなくて。