三菱自が相川新社長へバトンタッチ、今後の重要課題とは?

2013年度の営業利益・経常利益・純利益全ての利益項目で過去最高となった三菱自。

MITSUBISHI

6月25日には三菱自動車社長兼COOとして相川哲郎氏が就任。  

相川氏は三菱自動車生え抜きの技術者出身で、トールワゴンの先駆けであるミニカトッポや初代eKワゴンの生みの親としても知られています。 

同社は2000年にダイムラークライスラー社から出資を受けて乗用車事業で資本・業務提携を結ぶも、相次ぐリコール問題で2005年に提携を解消。 

経営不振に陥り、三菱重工業など三菱グループ向けに優先株を発行して資金支援を受けていましたがその後、欧州の拠点閉鎖などでリストラを断行。 昨年度にようやく優先株の処理を終えたそうです。

新聞報道などによると年内にはフィアット・クライスラーに小型車をOEM供給予定で、今後アジアでの販売強化を軸に成長戦略へ舵を切ろうとしている模様。 

三菱自の2013年の世界販売台数は約100万台。 現在は日産・ルノーやPSA(プジョー・シトロエングループ)とも提携関係にあります。 

MITSUBISHI_2010-2013MITSUBISHI_2014

こうした三菱自の再建に尽力したのが10年間に渡り財務の責任者を務め、6月25日の定時株主総会で退任した市川副社長。

益子社長らと共に経営再建を支えてきたキーマンで、不採算事業を一掃、セダンモデルを日産からOEM調達するなど、「選択と集中」を推進してきました。 

MITSUBISHI

しかし、顧客の期待に確実に応えるには今なお道半ばで、理想の姿には10-15年のスパンを要すると言います。

経営状態が厳しい事態からは抜け出たものの、ヒット商品を途切れ無く出すことが非常に重要で、今後は相川新社長の手腕が問われることになりそうです。 

三菱自動車 Webサイト
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/ 

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 (Avanti Yasunori) 

【画像をご覧になりたい方はこちら】 https://clicccar.com/2014/06/28/260301/

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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