2010年の段階で「FCVは1000万円くらいになる」としていたトヨタですが、2014年度内に700万円程度で発売すると発表しました。質疑応答では、加藤光久副社長、常務役員佐藤康彦氏、常務役員小曽木 聡氏が登壇。
まず、1つめの疑問はその価格。以前の一部報道ではもっと安い価格、500万円台もあるのでは? と予想する向きもありましたが、数年前から各種展覧会やモーターショーなどで取材していると、どんなに安くても600万円台が限度という雰囲気で、今回の700万円台というのは妥当かなと思います。
1000万円から700万円台に下がったのは、もちろん原価低減による賜物で、具体的にはハイブリッド車とバッテリーやモーターなどを共有することも価格を抑える大きな要因になっているようです。
700万円という数字は、官公庁や地方自治体、環境意識の高い企業などだけでなく、一般ユーザーでもエコへの関心の高い人が「手が届く範囲」として設定したとのこと。
2つめは、2015年から2014年度内に前倒しになった理由。「インフラと同時に立ち上げる必要がある」としています。
「立ち上げる」とはFCVを発売することで、インフラ、つまり「水素ステーションとクルマ」を「卵が先か鶏が先か」の比喩に例えて、どちらが先というのではなく、同時進行する重要性を説明。経済産業省からの要望、という示唆はなかったそうです。
3つめは、補助金の額に関して。トヨタがもちろん決めることではないと前提しながら、「これから相談させていただき、補助金がいただければ幸いです」とコメント。いくらくらいになるかは、正式発売時になるか、発売直前になるか政治が絡むだけに不透明だと思います。
4つめは、発表リリース以外にほとんど具体的な内容は披露されず、外観だけのお披露目というイレギュラーな発表会である理由です。これは、一般ユーザーをはじめ、官公庁、関連団体にもトヨタの本気度を示すために開かれた説明会であるため、とのこと。
5つめは、燃料である水素の供給に関して。「トヨタがエネルギーの供給会社になり事業をするつもりはないが、エネルギー業界と協力していく必要がある」と回答しています。
燃料である水素の価格に関しても、「エネルギー業界には、現在のガソリン車もしくはガソリンハイブリッド車と同等になるようお願いをしていく」とのことです。
(塚田勝弘)
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