―――本番の「ニュルブルクリンク24時間耐久レース(以下ニュル24時間)」に向けて、5月にテストを兼ねて参戦したニュルブルクリンク長距離選手権。こちらでの車両の手ごたえはいかがでしたか?
佐々木(孝太):レース自体は予選、決勝ともに他のクラッシュによるセッション中断が出てしまって十分な走行は出来なかったのですが、セットの方向性を見出すことは出来ました。車自体は高速コーナーでは速くなったけれど、低速域ではアンダーステアが強い方向の車になっていたのですが、でもこれはかなり攻めたセットにして試したから。レースに向けては今回確認出来た方向性でセッティングを施せば、十分に修正出来る部分です。
―――思い切り尖がった方向にふって、本番に向けてのセットが見いだせたということですね。
佐々木:そうですね。ここからしっかりと詰めていきたい。今年はSP3Tクラス(2ℓ以下のターボ車)で優勝以外考えていませんから。吉田(寿博)選手、カルロ・ヴァン・ダム選手(オランダ人)、マルセル・ラッセー選手(ドイツ人)、そしてチームスタッフと一丸となって獲りに行きますよ。
―――楽しみですね。佐々木選手にとってニュルブルクリンク24時間はどういうもの?
佐々木:やっぱりね、ニュルブルクリンクでレースをすることは長年の夢でした。本当にずっと参戦したかったから今の環境が本当に幸せだし、結果を残したいという気持ちでいっぱい。
―――スバルチームからの参戦は今年で4回目。ご自身もニュルは4回目?
佐々木:正確にいうと、実績を作るために2011年の前にニュルでレースに出ているんです。自腹で(笑)
―――自腹で!?
佐々木:数年前からニュル24時間に参戦するドライバーは、事前にニュルで開催されるレースに参戦して実績を積まないと参戦ドライバーの“権利”がもらえないんですね。僕はどうしてもどうしても出たかったから、ドイツに住んでいる友人に色々と情報を調べてもらったりしながら自分でドイツ人チームを探してレースに参戦しました。それでニュル24時間ドライバーとしての権利を得て、正式にスバルチームから参戦できるようになった。ニュルは世界一の草レース。そしてサーキットもドライバー冥利に尽きるコースレイアウトですからね。