手を左右に振るだけで設定しておいた機能が使える「楽ナビ」のエアージェスチャーは、すでに実用化されていて、GoogleもAppleもジェスチャーによる操作を研究・開発するだけでなく、特許取得でもしのぎを削っています。また、Googleはインパネのジェスチャーコントロールで特許を申請したという噂もあります。
アメリカの自動車部品メーカーのビステオン社が提案する「Horizonコクピット」は、「ジェスチャーコントロール」と「仮想タッチスクリーン」、「デュアルレイヤー・ディスプレイ」という3つの技術でインパネのインターフェイス全般に革新をもたらそうしています。
まず、ジェスチャーコントロールは、カメラがユーザーの手の動きを読み取ることでコクピット中央の画面上に仮想の手を映し出し、手や指1本を動かすだけで画面などに触れることなく各操作ができるのがポイント。たとえば、オーディオ音量を手や指による仕草で調整が可能。
ふたつ目の「仮想タッチスクリーン」には、感圧タッチパッドが組み込まれており、こちらも触れることなく各機能が応答。革や布といった柔らかい素材とも組み合わせることができるため、設置場所を選ばないというメリットもあります。
最後の「デュアルレイヤー・ディスプレイ」は、高解像度グラフィックスがふたつの異なる平面以上(前面/背面)に情報を提示し、対応中の操作のみ前面に映し出すもので、ドライバーが押す操作をするとつぎの画面に切り替わるというもの。
体感した人たちは、たとえば仮想音量ダイヤルを操作する方が実際のダイヤルを動かすよりも操作しやすい!と7割の人が感触を持ったそうですから、数年後にはこうしたコクピットが徐々に採用されるかもしれません。
(塚田勝弘)