世界中で開発競争が激化する「自動運転技術」。
この分野で先行するインターネット検索最大手の米Googleが開発中の実検車両を使った試乗会をカリフォルニアの市街路で開催して好評を得ているそうです。
Googleが発表した「自動運転車」は世界の大手自動車会社を慌てさせるのに十分なインパクトを持っていました。
2代目プリウスを使ってスタートした開発も現在では「Lexus RX450h」の試験車24台を使うまでの規模となり、開発は益々本格化しているようです。
同社は米国防総省高等研究計画局が主催した自動運転車のレースで優勝経験があるカーネギーメロン大学のクリス・アームソン氏やスタンフォード大学のセバスチャン・スラン氏ら、第一線の研究者を引き抜いて開発をスタート。
そもそもセバスチャン・スラン氏は18歳の時に親友を交通事故で失った事が自動運転車開発のきっかけになったとか。
Googleとしてはどんな状況にも100%の正確さで対処可能な自動運転車の開発を目指しており、交通事故全体の93%を占めている人間の判断ミスによる事故をゼロにする事が最終目標と言います。
当初は高速道路に限定しての自動運転だったようですが、やがて歩行者や自転車が行き交う道路標識の解読が必要な混雑した市街地走行へと守備範囲を拡大。
視覚認識の高度化、道路上で起こりうるあらゆる事態を予測するソフトウェア開発が必要となり、その開発には並々ならぬ困難が伴った模様。
同社は現在までに自動運転で約112万kmを無事故で走破しているそうですが、さすがのGoogleをもってしても、まだ技術的には道半ばで、実用化に漕ぎ着けるのは6年後の2020年と見ている模様。
その背景には更に複雑な市街地の道路、州や自治体ごとに異なる交通法規や信号の無い交差点、レーンチェンジ、合流などのシーンに於ける手による合図、相手車両ドライバーの頭の動き、アイコンタクトなど人間の行動解析が必要になるとしています。
今後Googleが自動運転車の実用化にあたり、車両の生産面やこれまで蓄積して来た莫大なノウハウについて同社を猛追する自動車各社とどのように共有して行くのかも大きな課題で現在検討中のようです。
いずれにしても、自動車会社ではないGoogleが交通事故撲滅を目的とした「自動運転技術」の実現で世界に大きなインパトを与えた事は間違いありません。
同社が開発開始後5年間に及ぶ一般路の走行実験で「事故ゼロ」を維持している現実が何よりも彼らの高い技術力と情熱を物語っていると言えそうです。
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