先日、米カリフォルニア大学アーバイン校の燃料電池研究センターが人間の「排泄物」を使って発生させた「メタンガスから水素を抽出する技術」を開発したという話題をお届けしましたが、日本でも福岡市が三菱化工機、豊田通商と共同で事業費13億円を投じて下水汚泥から水素を製造・供給する実証実験を始めるそうです。
実証事業の名称は「水素リーダー都市プロジェクト」。
技術検証は九州大学が、事業性の評価は豊田通商が担当、福岡市が場所とバイオガスの提供を行うもので、まさに産学官民が一体となったプロジェクト。
都市部で多く排出される汚泥を有効活用する技術として2年後の実用化を狙っているそうで、汚泥から純度の高いピュア水素と二酸化炭素を取り出して前者をFCV(燃料電池車)の燃料用として水素ステーションへ、後者をハウス農園用に供給するもの。
福岡市の高島市長によると、こうした一環事業の取り組みは世界で初めてとか。
実証実検は国土交通省の2014年度「下水道革新的技術実証事業」(通称B-DASHプロジェクト)に採択されており、福岡市では2015年度末まで継続して行う予定。
下水処理の過程で発生するバイオ(メタン)ガスから1日3,700立方メートルの水素を製造する計画で、これにより70台のFCVをフル充填することが可能。
EV用の充電設備と同様、FCV普及には水素供給ステーション網の拡充が重要となることから、水素燃料の製造方法に対して多様性が求められており、太陽光や風力を利用した水の電気分解法だけで無く、こうした環境に優しい新たな水素抽出手法が現在世界中で検討されている状況。
高島市長によると、既に他の自治体からも引き合いが来ているそうで、この事業を日本の先進技術として世界的なビジネスチャンスに繋げたい考えのようです。
■豊田通商 関連サイト
http://www.toyota-tsusho.com/press/detail/140404_002612.html
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