トヨタ新1.3リッターエンジンがホンダ・フィットを狙い打つ?!

トヨタが2015年までに14機種のエンジンを市場投入することを発表。その第一弾となる、ヴィッツのマイナーチェンジを機に搭載されると予想される1.3リッターエンジの概要を発表しています。

toyota_vitz_1.3L_gasoline_engine

最大熱効率38%という、コンベンショナルなエンジンとしては驚異的な効率をアピールする新エンジンの特徴として以下の要素があげられます。

・アトキンソンサイクルの採用
・高圧縮比(13.5)
・クールドEGR(排気再循環)
・電動の可変バルブタイミング機構「VVT-iE」
・効果的なタンブル流を生む吸気ポート形状
・ピストンスカート表面改質などの低フリクション化
・掃気効率を高める4-2-1エキゾチックマニホールド
・ウォータージャケットスペーサーによるシリンダー壁温コントロール

 

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圧縮比<膨張比となるアトキンソンサイクルは高膨張比という点で、マツダがSKYACTIV-Gエンジンの中心技術としているミラーサイクルと似た方向性という見方もでき、1.3リッターという排気量から、デミオのSKYACTIV-G 1.3と比べたくなりますが、デミオのエンジンは直噴となっていて、圧縮比も14.0と少々高くなっています。

それよりも、トヨタの新エンジンのライバルとして注目したいのは、同じ13.5という圧縮比を持ち、またアトキンソンサイクルであり、さらに電動可変バルブタイミング機構を持っていて、クールドEGRも使っているという共通点のあるエンジンでしょう。

それは、ホンダの『L13B型』DOHCエンジン。フィット1.3に搭載されているエンジンです。

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思えば、フィットがフルモデルチェンジして、そのハイブリッドがトヨタ・アクアを超えて国内最良となったというのが話題を集めましたが、その後、アクアはマイナーチェンジによりトップの座を奪い返しています。

今回、トヨタが発表した新1.3リッターエンジンは搭載車や燃費性能について明言していませんが、燃費については従来モデルに対して15%程度の改善をしているといいます。

仮に従来型とされているのをヴィッツ・スマートストップパッケージとすると、そのJc08モード燃費は21.8km/Lですから、25.0km/L以上の燃費性能を達成していることが予想されるのです。

フィット1.3のJC08モード燃費は、26.0km/L(ちなみに、デミオ13-SKYACTIVは25.0km/L)。

はたして、ガソリンエンジン車でもトヨタのホンダ(フィット)超えは実現するのかどうか。燃費性能にはエンジンだけでなくミッションや車体の影響もありますが、ともかくスペックの正式発表が気になる新エンジンといえそうです。

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(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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